93゚
(05)
俺が次に目を覚ましたのは、知らない寮部屋でだった
「あ、詩遠起きた?」
視界には知らない子の顔
なんで?
昨日、部屋にあげたっけ?
……違うっ!!
誰かに何かを吸わされて意識を失ったんだ
じゃあ、こいつが俺を…
「……え?真矢?」
そこにはまだ少ししか話してない真矢がいた
反射的に起き上がろうとするが、身体が動かない
良く見ると、手足はベッドサイドに手錠で固定されていた
幸い、服は着ていてまだ冷静でいれた
「もう本当可愛い…安心して?
だれも邪魔しにこないから、二人だけだよ」
ふふっと卑しく笑って俺の頬にキスをする
「寝顔だけで二回もイっちゃった」
可愛らしく笑ったのだろう
でもそれは俺にとって、悪魔の微笑みでしかなかった
「ここは防音だし、騒いでも大丈夫だよ
ここまでするに時間かかっちゃって」
遅れてごめんね。と泣きそうな声で言う
いっそのことずっとなにもしないでほしかった
「真矢?」
「なあに?…僕の王子様」
…だめ、だ
こいつは、真矢は狂ってる
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