93゚ (13) 鋭い痛みに耐え、本題に入る 「で、んだ?このふざけた内容は」 「え?」 ポカンと口を開けて、俺の出した携帯の画面を見つめる そこに開いてあるのは、詩遠が俺に送ってきたメールの画面だ 『んー…意外に学校楽しいから、卒業したいかも… それに、生徒会役員になっちゃったし…今、文化祭の準備中だし』 ということは迎えにくるなと言うことであって… 卒業って、あと1年と半年もあるじゃねぇか 「はぁ〜…一時的に入学させたのが失敗だったな」 「むっ、なにその言い方。学費だったら自分で出すから」 いーっと俺を睨んで、ココアで暖かくなったコップを持つ 一杯飲んで、まだ膨れた顔で言う 「じゃぁ、文化祭終わったらね?…でも休学ってことにしてほしい 折角、友達出来たんだもん。会いに来たいよ」 コップをかたかた動かしながら、上目遣いでねだる 少し考えてから口を開く 俺も考え方が甘くなったかもな 「後半年は通っていい。高3からは休学にするからな」 「こーじっ!!…へへっ、ありがとー」 にへーっと顔を緩ませながら、少しずつ俺に近付いてくる 俺の座っているソファーの隣に腰を下ろし、傷を自分が負ったのかのように痛そうに撫でる 小さく謝るのが聞こえた [←][→] [戻る] |