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93゚
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白崎はガサガサ荒らされているバックなど気にせず、頭をがくんがくん揺らしている
 
えっ、このままだと倒れると思うんだけど…
 
足元ふらふらしてるよーっ!!
 
「危ないっ」
 
やっぱり倒れた白崎を庇うように、下敷きになった俺
 
重い……
 
「あー…ごめん。昨日寝てないから」
 
想像していたよりも声が高かった
 
と言っても黒崎のようなふざけた高い声じゃない
 
落ち着いている声
 
「よしよし」
 
気付いたら頭を撫でてしまっていた
 
白崎は固まって俺を見つめる
 
あーっ!!
やってしまった!!
 
「ご、ごめんっ」
 
「ううん。嬉しい」
 
小さく笑う白崎に、俺も笑い返した
 
「俺も笑いっこにまぜてっ」
 
ニコッと黒崎の笑顔が目の前に
 
だからこの子はなんで俺の顔を覗くんでしょうか
 
「詩遠ーっ、ご飯食べに行こうよ」
 
「あっ!!俺らもご一緒していーい?」
 
コロッと表情を変え、志紅に問う
 
志紅は慌ててこくこく首を動かし肯定する
 
「じゃぁ食堂行こっか!!」
 
そう言って先頭を切る黒崎
 
何故か白崎は俺の隣にいる
 
憂と沙夜と志紅は仲良く後ろで並んでいる
 
黒崎が歩くと道が開いていく
 
この子何者…?
 

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あきゅろす。
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