93゚
(20) -Side詩遠-
生徒会役員になって、ため息をつく間もなく授業
俺の隣の人に教科書を借りようにも、寝ていて借りれない
「あのー…もしもーし」
一応授業中なので、小声でちょんちょん突っつきながら、起こそうと粘る
だが、全然起きる様子もなくガクッと項垂れる
「教科書見せようか?…こいつお昼になったら起きる子だからさ」
苦笑いしながら机をくっ付けてくる反対の隣の人
ありがとう、とまた小声で言い黒板に向き直る
「ふぁぁ…退屈じゃね?」
欠伸を噛み殺しながら言う隣人
周りを見てみると寝ている人が多数いた
「ねぇ、ここって頭いいクラスなんじゃないの?…寝てていいの?」
「あ、外部生だから分からないか…ここは頭いいクラスだけど、頭良すぎて授業なんか退屈なんだ。予習してる奴とか、塾の宿題してる奴、寝てる奴だっている」
先生に注意されないのかなぁ
そんな疑問に答えるように教えてくれた
「なにしてても、成績が良いから先生達なんも言えないの」
「そうなんだぁ」
って俺、頭良くないんだけど!?
黒板にダーッと書かれている文字を必死に動かす
でもなんでAクラスに入れたんだ?
………寄付金か
幸慈め
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