流れに流れて。
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「あの?」
「高宮くんが惚れたの分かる気がする」
涙を流しながら今だクスクスと笑っているこんな不思議な光景。今来た人がみたら絶対不信に思うに違いない。
まぁ一応助けてくれたワケだし感謝しなきゃいけないよな…
「さっきは、危ない所を助けて頂いてありがとうございました!」
「え?」
ぺこりと頭を下げて壱先輩の顔をまた見る。
心底驚いたという顔をしたので少し笑ってしまった。
「あーあ、山下くんがタチだったらなあ」
「え?なんですか?」
「何でもないよぉ」
何だか残念そうな顔をしたと思ったら次は何故かまた満面の笑みを浮かべて右手を差し出してきた。
「改めて、僕は
鬼龍の梅本 壱だよ。よろしくね」
「はい!!っというかあのぉ、呼び方は壱先輩でいいですか?」
「勿論!
あっついでに言うと、昨日会った筈の神埼充は僕のだからね」
これまた満面の笑みで何を言い出すかと思えば、とんでもない爆弾を投下した…
あれ?もしかして鬼龍ってホモ集団だったりするのか?
嫌々、そんな頭の痛いコトを考えるのは止めよう。ていうか、オレはホモじゃないし…
首を横に振っている所で壱先輩から「教室に戻ろうか」という提案が出たので黙って頷いた。
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