流れに流れて。
涙ホロリ
「昼、また来る」
学校に着いて、ご丁寧に教室まで送ってくれた高宮はオレの頭をグリグリとして去って行った。
言わずもがな、騒がしかった筈の教室はオレと高宮が来たコトにより一気に静かになった。
「おはよー…」
それこそ蚊が飛ぶような小さな声で、返事もこないであろうクラスメートたちに挨拶の言葉を口にした。
シ――…ン。
うっわ、逃げ出したい☆
ガラリと扉が音を立てて開いたので視線をそちらに向ける。
「おっはよ―
って、何この空気!?重っ!!」
重たい空気とは打って変わって、呑気な声を上げたのはオレの癒やし、
「チカ…」
「勇気だぁおはよー」
元気よく片手を挙げて、それこそ某アニメの「んちゃっ」みたいな格好をしたチカに、空気がまた一変し穏やかな笑い声が教室に響き出した。
「チ〜カ〜」
「何ぃ?そんなだらしない声出してさぁ」
両手を広げてオレを迎え入れてくれたチカは、
まぁ身長はオレの方が少々高いので必然的に屈みヨシヨシと頭を撫でてもらう。
「うえ〜ん」
「はいはい、どうしたの?」
オレを遠巻きにしていた男子達も泣き出したオレを心配したのか近寄って来た。
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