流れに流れて。
9
何分かたった。
勿論、終始無言。
死ぬかと思った。
いや、いや、いや、歩いた時の周りの空気だけじゃなくて周りの人間の視線とかね?
特に女子!!
嫉妬の籠もった目でオレを見ないで!
とうしよう、オレ絶対この学校で彼女できなくなった。
「着いたぞ」
そう言って、離す気ないらしい手を繋いだまま目的地に到着。
「屋上?」
「ああ」
立ち入り禁止の区域の筈の屋上のドア。
それが威とも簡単にひらいた。呆けに取られるオレをよそに、何食わぬ顔で外に出た高宮
それを追うようにオレも続いた。
「おっはよーん」
何処かから聞こえるふざけた男の声に驚いたオレは肩をビクつかせ周りを見渡す。
「考介、出てこい」
「はーい」
高宮が呆れた声を出した後、男はそれに応じて現れた。
タンクの裏に隠れていたらしく、オレは驚きながら彼を凝視する。
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