流れに流れて。
6
何が起きているかいまいち理解ができなくて、オレは呆けに取られていた。
「あ、勇気」
「ち、チカぁあ」
抱き上げられてすぐに歩きだした高宮。
そしてその上でロミオとジュリエットを再現中のオレとチカに不機嫌が増すのをオレは勿論知らない。
2人が去った後、
生徒達のウワサの的になっては恨まれるとはチカが教えてくれるまで勿論知らなかった。
その頃のオレは、
「いーやーだー
下ろして!!」
「……」
何度叫んでも、何度助けを求めても、
終始無視を決め込んだのだろうシカト。
何処に行くのか見当もつかないオレは諦めて高宮の背中をギュッと握りしめたのだ。
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