流れに流れて。
4
混乱する頭で今の状況を考える。
怒鳴られて、
手首ひっつかまれて、
抱き締められて…
「ぎゃーー!!」
女子にも負けない声で思いっきり叫ぶオレ。
だって、だって、だって!!
尚も強く抱き締める高宮和哉。
く、苦しい…
「勇気」
「は、はいぃい」
色気の漂う声でオレの耳元で口を開いた高宮和哉。
「オレ以外の人間に触れてんじゃねぇぞ?」
今度は体から血の気をひかせるような恐ろしい声で言葉を発したのだ。
そして無言で頷くオレ。
怖さの余り、腰を抜かしてしまった。
情けない…。
すかさず抱き止めてくれたのはいいが、外野からの罵声はすごい
「いやー」だの「和哉ぁ」だの「抱いてー」だの…
帰りたい。
って云うか泣きたい。
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