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家庭教師ヒットマンREBORN!
扉の向こうへ(骸/シリアス)
「お前の死刑執行日が明日に決まった」



「その日は他にも死刑執行を行う者が何人かいる」

それが何?

「警備はその分厳重になっている。逃げようだなんて考えるなよ」

無駄な事をわざわざ考えたりしない

「時間になったらくる」

サッサと消えてよ





「……明日、ね…」

私の罪状は大量殺人

私は沢山の人間を殺した
それは罪

でも
そうしなければ殺されていたのは私の方

だって新兵器の実験体にされたら反抗もするでしょ

私のいたファミリーは非道的な実験ばかりやっていた
同盟ファミリーも皆似たようなモノ
ルギーニだのエストラーネオだの
誰一人として助けてなんてくれなかった
だから私は自分でやったんだ

「ふふ…」

結果コレ

暗い牢に独りきり
ただ死刑を待つ身

「笑っちゃうね…」

浮かぶ笑みは
渇いた自嘲


「……はは」

誰かが言ってたっけ

「世界はなんで」

―世界はとても美しい

そんなの

「こんなに醜い…?」



世界は暗くて
汚い












光が

差し込んだ



「同感ですよ」
「!?」
「クフフ、随分考え込んでましたね」
「誰…?」
「僕は六道骸」
「…ろくどう…むくろ……」
「はい」
「何でここに…?」
「僕も死刑囚だからです」
「!そう…」

まさか自分と同じ位の年齢の人が死刑囚にいるとは思っていなかった

「骸さん、こっちれす!」
「!」

彼の仲間の物と思われる声

「今行きます」
「行っちゃうの…?」

思わず口をついた言葉に自分でも驚いた

誰かに
側にいて欲しいと思ったのは初めて

「何言ってるんですか?貴女も来るでしょう?」

彼の口から出たのは意外な言葉

「私…も…?」
「その為にわざわざ来たんですから」
「何で……」

顔も知らない他人を…

「クフフ…僕らは一度だけ会っているんですよ」
「え…」

私に彼の記憶は無い

「僕は元エストラーネオファミリーの人間でしたから」
「ああ…」

エストラーネオファミリーは私のファミリーと同盟関係にあった
覚えていないけど会った事もあるのかもしれない


「さ、行きますよ」

差し出される手

その手を私は掴んだ



立ち上がって

「うん…」

扉のむこうへ





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