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D.Gray-man
破壊(アレン/シリアス)


ねえ

お願いよ

私を

その手で





「名前……名前!」
「……アレ…ン…?」
「よかった…」


今は任務中

特にイノセンスの手がかりは見つからず
私達はその森にあった廃屋で眠っていた


「…?」


気だるい体を起こし、髪をかきあげる


「うなされてたみたいでしたから、つい…」
「起こしてくれたんだ?…ありがとう」
「お礼を言われるようなことじゃありませんよ。……………………どんな夢を見ていたんですか?」
「………何も」
「?」
「何も変わらない…私の日常だよ…」


私は特殊なイノセンスの適合者

能力は多大なパワーアップ
代償は……………不老不死



不老不死に憧れる人もいるらしいけど私には理解できない


「…………」
「………ねえ、アレン」



その手で私を殺して?



神から授かったその手なら

私を解放してくれるかもしれない



「なんですか?」


なんて


「ううん…なんでもない!」


そんなこと
優しい少年に言えるわけなくて


「?」
「目も覚めちゃったし、イノセンスの手がかりがないか探してくるね」
「あ、僕も行きます!」




「「…………」」


外に出たはいいが互いに無言
さっきの会話のせいもあって結構気まずい


「………あの」
「…?」


不意にアレンが沈黙を破った


「大丈夫ですよ、この戦争が終わったら解放されます」
「!」


すこし寂しそうに笑うアレン

……まさか自分の10分の1も生きていない少年に慰められるなんてね…


「うん…ありがとう」
「いえいえ」





ありがとう

優しい時の破壊者


貴方は

私の不安も破壊してくれた


きっと貴方なら

不死の製造者だって

破壊できるよ





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