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D.Gray-man
同じ場所に(アレン/ほのぼの)


教団の森の開けた場所
暖かな日差しが差し込む平和な空間

お気に入りの木に寄りかかって座る


「………」


ふと、自分の手を空にかざした

無力な…弱い手を



「名前」


名前を呼ばれて見上げれば日差しに反射して輝く白い髪


「…アレン」
「どうしたんですか?こんな場所で」
「んー…」
「もう引っ越しの準備が始まってますよ?」
「ロンドンに近くなるんだっけ?」
「らしいですね」
「…………」


方舟で戦う前と変わらない笑顔

でも方舟で戦う前とは絶対的に違うところがある


「…名前?」
「……アレンは…」
「?」


違うところ

それは…


「…強く…なったよね…」


強さ


力(イノセンス)の強さ

思いの強さ


「名前だって強くなってますよ」
「…ううん。私は…全然変わってない…」


私も覚悟を決めていた…つもりだった

仲間を守る為ならどんな事だって出来る覚悟を…してるつもりだった


けど本当は
私に覚悟なんてなかった


いざ死にそうになると体が震えて動けなくて
仲間に守られるだけ


「役立たずなエクソシストは…どうなるのかな…?」


ヴァチカンに切り捨てられる?

神に咎落ちを宣告される?


「………ッ」


アレンがギリッと歯軋りする


「…私は…いらないエクソシストなのかな…「名前は役立たずなんかじゃありませんッ!!」
「っ!」


珍しく怒気をはらんだ声に身をすくめる


「どうして悪い方向にばかり考えるんです!」
「……ッアレン…?」
「…誰もあなた一人に戦ってほしいとも、あなたが役立たずとも思っていませんよ」
「だって…」


戸惑う私にアレンは再び笑顔を向ける


「ほら、準備に行きましょう?」
「…え?」
「皆あなたを待ってます」


差し出されるアレンの手


「………」


私も必要とされてる?

私も……


「私…皆と一緒にいていいの…かな…?」
「当たり前ですよ」
「…うん…ありがとう…!」


私はアレンの手をとって

アレンと一緒に
皆の所へ





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あきゅろす。
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