D.Gray-man
私の戦い(ラビ/シリアス)
「ハァッハァッ…」
周りにはアクマの残骸
アクマの血にまみれた体
一人の探索部隊が駆け寄ってきた
「流石です!二時間ですべてのアクマを破壊するなんて…流石《神の使徒》!」
「………っ」
アクマ ノア 千年伯爵
エクソシスト イノセンス 神
終焉のシナリオ 戦争
《神ノ使徒》
その言葉は妙に私を苛立たせる
「やっぱりアクマなんかが神の使徒に勝てる訳ないんだ!ハハハハ!」
頭が、真っ白になった
「ハハ………え?」
「見ーっけ」
ヒョコッ、と目の前に赤毛の青年が現れた
「………ラビ…」
声は震えてて
零れそうになる涙をこらえる
泣いちゃ駄目
私にはそんな資格ない
「…ラビ………私…」
「大丈夫さ。あの探索部隊カスリ傷だって」
私はさっき………あの探索部隊をイノセンスで攻撃した
本来ならアクマを破壊する為のイノセンスで…
「……ラビはこれまでいくつの戦いを見てきた…?」
「?」
無意識の内に零れた言葉
「…っ私は…わからなくなったの……アクマを壊して、神の使徒と呼ばれて、戦って……敵を殺して…仲間も死んでいって……敵も殺された仲間の為に涙を流して…」
「…………」
「戦争って何なの!?…私はもう嫌だ!……戦いたく…ない…」
「…名前……」
どんどん情けない言葉が溢れていく
「……俺は…数え切れない位の戦を見てきた。…その戦いの中には、当然お前みたいに悩んで、考えて、迷う奴もいたさ」
「………ッ…?」
どこか遠い所を見るようにラビが話す
「…でも、そういう奴もいるから…戦いのない時間ができるんじゃねえか?」
「!」
ラビが私の方を向く
「お前は間違ってない。…だから、そんな顔すんなさ」
「……ッラビ…」
『間違ってない』
そう言われて
急に涙が溢れてきた
次から次へと、涙は止まらなくて
ラビはそんな私の頭を、そっと撫でてくれた
「それじゃあ、次の任務の説明をするよ」
「うん」
ラビはあの後、泣きつかれて眠ってしまった私を目が覚めるまで見ててくれた
「……ありがと…ラビ」
「?何か言ったかい?」
「ううん、何も」
ありがとう ラビ
貴方のおかげで私はまだ戦える
黒の教団を背に私は新たな任務へと出発した
「行ってきます」
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