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Moon
始まり3
夕食後、自室に戻ったルシファはベッドに腰掛けた。

(やっぱり父さんは聞き入れてくれなかったわね。やっぱりこれしか方法がないか。)

ルシファはため息をつきながらベッドから立ち上がり、化粧台へと向かった。

そして、化粧台の引き出しからハサミを取り出し、自分のその絹のように艶やかな金髪に刃をあてて―――



ジョキ



腰まであった髪を切ったルシファは、少年に見間違えてしまうほど、中性的な容姿になった。

その自分の姿を見て、満足したような泣きそうな顔になった。

ニッと笑顔を作りゆっくりと、そっと、少し前まで自分の体の一部だった髪を近くにあった真っ赤なリボンで束ねた。


そして前もって用意しておいた紙にペンで

ミファルを探しに行きます
ごめんなさい
       ルシファ

と書き、化粧台の上に置いた。

そうしてルシファは決意を固め、お金と切った髪を持って窓から部屋を出ていった。

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