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Moon
始まり2
この紙を見たルシファはすぐにでもカグ山に行こうと言った。

しかし国王はそれを許可しなかった。
何故ならラファエラ王国に行くには海を渡らなければいけないからだ。

海を渡るのにはかなりの危険が伴う。
知識がないものが行くのは自殺行為のようなものと言われているほどだ。

それに古くから海賊船に女性を乗せると船に災いが起こると言い伝えられているので、女であるルシファは船に乗ることさえできないのである。


だが、溺愛する妹が誘拐され、頭に血が上ったルシファにそんな言葉が届くはずもなく…。

「だから行かせてって言ってるじゃないの!」

「そんなの許さんぞ!それに…言い伝えもあるじゃ…ないか」
「そんなことを恐れていてミファルを取り戻せるわけないじゃないの!」

「いや、認めんぞ!」

「だか「いい加減にしなさい!」

突然ドアが開いて入ってきたのは、国王の妻であり、ルシファの母親であるこの国の王妃だった。

「か…かあさ…」

「ルシファは危険なんだから駄目なものは駄目!アナタはもっと言い方ってものがあるでしょう!わかったら早く夕飯食べるわよ!」


王妃が一喝すると2人は無言になりトボトボと夕飯の場へ歩いて行った。

そこにいた召使い達はやっぱり母親は最強だなぁと改めて実感した。

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