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Underdog


またこの明かりの下に立てるなんて思わなかった。前のバンドの興奮が冷めやらない中、そっと目を閉じて。


ゆっくりと、開く。


後ろ手で亮に合図を送る。
スティックを鳴らしてのカウントが聞こえてきた。

1、2、3……!


俺の声とハルのギターが最初に駆け出した。

ドラムが沈黙から解き放たれる。
ベースが確かなリズムを刻み出す。

緊張と興奮と歓声の波が、心と頭をガンガン揺らしていく。掴みは大丈夫らしい。
ハルの音はまるでずっと前から決まっていたようにしっくりと馴染んでいた。あいつがどれだけ練習の鬼か、知ってたはずだけどやっぱり驚かされる。
振り返らなくても、みんな笑顔だって分かった。


一曲目を終える。

「……どーも、『Underdog』です!」

口笛や拍手で歓迎してくれる中、「エルレじゃないのかよ」という野次も飛んできた。

最初に弾いたのは、ELLEGARDENの「ジターバグ」。無名の俺達がみんなに注目してもらえるように、一曲目は有名な曲にしてみたわけだ。もちろん秋栄の策だ。弾いたことがあるから練習時間も取らない。

「次からは、俺達の正真正銘のオリジナルです。エルレさんに負けないように頑張るんで……『Under the Moon』!」

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あきゅろす。
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