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Underdog
14

スタジオを使える時間は限られている。
次のバンドも待ってるから、時間厳守だ。

「あ、名前は『株式会社オルウッド』でお願いします」

退室手続きをしている秋栄が、サクッと領収書をきってもらっていた。
ホント頼りになるなぁ。
というか、スタジオ代も経費で落ちるって、なんか申し訳ないくらいだ。
やろうと思えば練習中に飲んだペットボトルも請求できるらしい。面倒だからしないけど。というか飲み物は生きるために必要だし。

「ヒロくん、ご飯食べて帰ろうよ」
「だな。……あ、ちょい待って」

尻ポケットが震えて、電話着信を知らせてきた。
かけてきたのは、我等が馬鹿マネ。もとい赤磐さんだった。

「――ようやく繋がったよ」
「あ、すんません、折り返してかけたりはしたんですけど……」

お互いに話し中だったりケータイが手元になかったり、電波が届いていなかったりとすれ違いまくっていたのだ。

「ちょっと話があるんだけど、今から大丈夫?」
「あー、……っと、はい」

ちらっと亮を見ると、仕方ないなというため息をついていた。ホントにごめん。

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