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Underdog


さっぱり分からない。
真吾が何を考えてるのか。
曲作りの権利を得たのも全部、これを仕掛けるためだった?
それともほかに真意がある……?

スタジオはまたも険悪ムードに逆戻りした。
まがりなりにも、このメンバーでやっていこうって動き出したばっかりだってのに。

「ちなみに、ライブの詳細はこれね。一応『シークレットバンド』って呼び込みになってるから」

ガラッと声色を変えた赤磐さんがライブのチラシを配るが、誰ひとり積極的に貰おうとはしない。

「3日前辺りに一度出来栄えを見せてもらうよ。あまりにひどい演奏ならライブは辞退、このプロジェクトも解散させるからそのつもりでね」

まったく痺れる悪役っぷりだ。

「俺達に選択肢はないってことかよ」
「選択肢なら最初にあげたはずだよ。音楽をやりたいかやりたくないか、ってね」

ハルの文句はあっさりとかわされた。



淡々とパソコンを片付けている真吾に、かける言葉を見つけられなかった。

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