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Underdog

パソコンソフトの機能の一つで、作った曲の楽譜が印刷できる。
現代の技術って素晴らしい。
俺の手元にもひとつある。
ただ、気になることもひとつある。
楽器の構成は、ギター、ベース、ドラム、それにボーカルというごくありふれた形だ。
でも、どう数えても4人分しかパートが用意されてなくない?


俺の嫌な予感はすぐに現実のものになった。


今までずっと黙っていた赤磐さんが、ゆっくりと息を吐く。

「――真吾クン、当然だけど出来るんだろうね?」

意味深な問い掛けに真吾は鷹揚に頷き、俺達に向き直った。
最初に口を開いたときと同じ、不遜な笑みを浮かべる。

「知っとるとは思うけど、俺はどのパートもこなせる。ケチな演奏しくさったら俺がパートを代わったるから、そのつもりで頑張りぃや」

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