Underdog
1
俺達5人はいつものスタジオに集まった。
ついでに赤磐さんも、別件の都合がついたとかで同席している。
真吾が慣れた手つきでパソコンをスピーカーに繋ぎ、USBメモリに保存していた曲を流す。
「あのへたれがどう変身してるか楽しみだ」
壁にもたれて皮肉屋を決め込むハル。
でも、曲が流れると余裕ある態度は一変した。
驚け驚け。
亮もそわそわとしながら曲を聞いている。
聞けば聞くほど、早くやりたいって思える。
ギターの余韻とともに一曲目が終了。
「いいね、これ」
さらっと褒め言葉がでたのは秋栄だ。
「せやろ、俺にかかればざっとこんなもんや」
製作過程を見てきた俺としても、まるで自分のことみたいに嬉しい。
「ライブまであんまり時間ないし、早く練習に入ろうよ」
亮がそう言ったとき、空気が明らかに固くなった。
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