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Underdog

「……はぁ、そんなんはお互い分かってますやんか。心配しなやって」



だれかが話している。

体を起こそうとするや否や、ずきずきと痛む頭。また二日酔いか。
こめかみを押して痛みをこらえる。

寝かされてるのは、和式の布団だった。
畳の匂いに実家を思い出す。
カーテンの隙間から射す光は絶好に眩しい。

その窓のすぐ脇に、真吾があぐらをかいて座っていた。
俺が起きたのに気付くと、ひらひらと手を振る。

「――せやせや、ヒロなら俺の布団でぐっすり眠ってるし」

「なっ……何の話してんだよ!」

まどろみ状態から一気に覚醒した。

「あぁ、起きたみたいやね。ほなまた連絡しますわ……っと、ストラップ引っ張んなや」

電話の相手を何としても確認したかったのだが、体格の差に翻弄される。その間に通話が終わってしまった。


真吾はケータイを閉じると、ニヤニヤと近付いてきた。

「だれか話されると困る相手でも居てますん?」
「違っ……」
「心配しなや、相手も大人やし、その辺の事情は推し量ってくれますって」
「誰だよマジで!」

真吾は肩を竦めると仕方なく答えを言った。

「赤磐サン。ヒロのケータイにもものっそい着信あるはずやで。連絡取れないって偉い焦ってたし」

「あ……」


言われるままにケータイを開く。
……軽いストーカー被害に遭っているかのような着信履歴。
メールも来てる。
全然気づかなかった……。

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あきゅろす。
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