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Underdog

「――1人でうだうだしてても大して浮かばへんやろ」

ざわついた店内でも、真吾の低い声は不思議と耳に心地好く届いた。

「まぁな。予想以上に何も出来ないっつーか」
「そこで、や。俺の書いたやつをパクることを許可したる!」

ビシッと箸をこっちに向けた。

「……そんな自信満々に言われても。瞳がスタンガンだろ?」

「あんなんでも、なんかネタがあった方がいじりやすいやん」

「それは確かに」



もしかして、こいつそのこと言うためにわざわざ飯に呼んだのか?
歌詞作りを一人に丸投げした罪悪感とか。




「なんだかんだで、お前って良いやつだな」

「なんやねん急に」

「よくみたら男らしいし」

「よく見なきゃ気付けへんの!?」

「あと多分髭が似合いそう」

「ま、ヒロよりは似合うやろな」

「あと何でも弾ける」

「大して凄くないわ」

「謙虚?」

「あほか。……って、ヒロ大丈夫か? 何杯飲んだん?」


真吾の声がひどく遠くから聞こえる。



――ごめんなさいお母さん。
俺はまたお酒で失敗したようです。

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