Underdog
6
「結局居酒屋かよ……」
「まぁええやろ。日本酒も充実しとるし」
「それ嬉しいのはお前だけじゃん」
いい店知ってるから、と連れて来られたのは、親父が好みそうな居酒屋だった。
表には赤提灯が下がり、ビールだのホッピーだのといった名前が筆書きで貼ってある。
流れてる音楽も心なしか流行から少し外れた曲な気がする。
「どうせまともに食ってへんのやろ?」
「余計なお世話だよ。……その通りだけどさ」
突然奢ってくれるなんてどういう心境なんだ。
でも、酒にもツマミにも罪はない。
とりあえずおいしくいただくことにする。
真吾はといえば、ご飯系には目もくれず、日本酒をちびちびやっている。
肘をつきながら手酌で飲む。それが似合うんだよなぁ。CMに起用されても良いレベル。
顔のパーツが濃いっていうか男臭いんだな。
髭生やしたら似合いそう。
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