Underdog
4
厳正なるじゃんけん3回勝負の結果、俺の書いた歌詞に音を付けるのは真吾に決定した。
「よっしゃああぁぁぁあ! 久々に血がたぎるわ」
「喜んでもらえて光栄っす」
「あのへたれな歌詞を一見カッコイイ曲に見せかけるんやろ? よく聞くと『うわっ超へたれ! カラオケで歌うの恥ずかしー』みたいな」
「そ……そんなにへたれな歌詞かな?」
あんまり連呼されるとちょっとへこむ。
「なんや、自覚ないんか?」
「ちょっとどころじゃないだろ」
「感受性豊かなんだよね、ヒロロンは」
「感受性豊かっていうか女々しいっていうかぐちぐちしてるっていうか些細なことを気にかけ過ぎっていうか。――そこがヒロの良さじゃない?」
フォローされたみたいだけど、とどめを刺された気分です。
そして、俺には再び『宿題』が。
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