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Underdog


「そこまで言うなら見せてみろよ」
「うわっバカ引っ張んな……っ」

俺が肘をついて押さえていたノートを無理矢理奪うと、ハルはテーブルの上へドンッと広げた。
うわーやっぱり恥ずかしい。
一晩中考えてだんだん感覚麻痺してきちゃって途中だけどもういいやって投げたんだよな……。

みんな凝視してるし……あ、誤字発見。あーもう、直させて。

「邪魔すんなよヒロロン」

身を乗り出したらすかさずハルに肩を押さえ付けられた。ひ、ひどい……!


沈黙が俺のうさぎの心臓をチクチクといじめる。
目の前で全員に詩を黙読されるって一体なんの拷問?
音読されるよりはましなのかもしれないけど。

みんな顔を付き合わせたまま微動だにしない。


あまりに長すぎる沈黙に、眠気どころか尿意さえ覚えてきた時だった。




「……悪く、ないんじゃない?」

最初にそう言ったのは秋栄だった。


「マジで?」
「うん。ヒロらしいっていうか」
「お前らしいへたれな歌だな」

ハルが鼻で笑う。

「うるせー」

明らかにさっきの仕返しじゃんか。

「しゃあないな。俺がメロディーつけて少しは聞けるようにしたるわ」
「あ、ずるーい! ただしイントロをカッコイイドラムのソロから始めるなら許す!」
「いや、ここはサビのアカペラから始めようよ、スローテンポで入って、そこからハイハットでカウントとって……」

秋栄が一気に具体的な話に持っていこうとする。

「ちょっと待てってば。つまり、どういうこと?」


俺の馬鹿な問い掛けに。

秋栄はメガネをクイッと持ち上げて。
ハルは大きくため息をつき呆れ果てた表情で。
亮はビシッとサムズアップして。
真吾は、親指と人差し指の先をくっつけてOKサインを……違う、あれは銭のサインだ。つまり――

「最高の曲にしたるわ。金払ってでも聞きたいって思わせる曲にな」

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あきゅろす。
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