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Underdog

「秋栄のは?」
「あるけど……」
いつになく自信なさ気だ。もしや、秋栄も作詞は苦手なタイプか?
無印良品のノートを見せてもらう。


が……



「英語だ……」
「辞書持ってないなー」
「……なんだろ、訳さなきゃいけないっていう強迫観念が」

そこにあったのは流麗な筆記体で書かれた、それだけで絵になりそうな歌詞だった。あくまで見た目だけ。誰も読めない。というか、戦意喪失。

「僕は英語の詞をメインに書いてたんだよね」

秋栄は肩をすくめて苦笑している。なんか確信犯っぽいけど……いっか。


「次っ、ハルの見せてよ」
「良いけど」

ため息をつくと、ハルもノートを開いた。




夢を見るたび 思い知るんだろ
どうせたいしたことないんだ
世界を壊すくらいの気持ちでいても
蹴飛ばし壊したのはボロアパートの壁

そよ風なんていらない
吹くならいえひとつたやすく飛ばすくらいの
木漏れ日なんていらない
さすなら肌を焦がすくらいの直射日光を



「……ハルっぽいなー、なんかイライラしてる感じとか」

一瞬良いかも、と思ったことは死んでも言わない。
どんな曲調が合うかな〜とか考えちゃったことは生まれ変わっても言ってやらない。なぜって、癪だから。

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あきゅろす。
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