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Underdog
12
「かなり泥酔してたことは?」

「……全然覚えてない。タコ焼き頼むとか頼まないとかって会話して、結局日本酒頼んだあたりまでしか……」

「……チッ」

舌打ちされた。
それでもイライラがおさまらないらしい。コートのポケットをばんばん叩いてタバコを探しあてると、蒸気機関車の如く吸いはじめた。



「あのあとマッコリとかワインとか面白がってチャンポンしてただろ」

「してたの?」

「してたんだよ! で、自分の家も説明できないほど出来上がってたお前を押し付けられて、仕方なくうちまで連れて帰ってやったんだよ」

「……マジ?」

「嘘つく意味が分かんねえよ。真っすぐ歩けないから電柱とか勝手にぶつかるし」

「そんなべたな酔っ払い方を……。じゃあハダカなのは?」

「家について早々リバースしやがったから脱がせたに決まってんだろ」

別に決まってないもん……。
でも、かなり迷惑かけちゃったな……。

「……ゴメン」

「……」

機関車はひたすら無言。




とうとう3本目も短くなってきた頃。
紫煙を吐き出していた口がふと動いた。

「あー……そこまでしか覚えてないっていうなら、バカマネの『宿題』も覚えてないのか」

「宿題? っていうかバカマネって?」

「馬鹿なマネージャー」

「年上なのにそんな呼び名はさすがに失礼だろ……」

ハルは、カエルの形をした灰皿に吸い殻を忌ま忌ましげに押し付けると、

「曲を作れって」
「……は?」

「2ヶ月後のライブを成功させろ、だと」





「……はああぁぁああ?」



前言撤回。
バカマネは、バカマネだ。

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あきゅろす。
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