Underdog
9
ふと見ると、大河内真吾がポツンと座ってメニューを眺めている。
こっそり背後から近寄ってみる。
「あ、タコ焼きあるじゃん。頼まないの?」
「うわあっ! ……話し掛けるなら横から来ぃや」
話し掛けること自体は良いんだな……。
「ほら、タコ焼きあるじゃん」
「東京臭いタコ焼きなんか誰が食うか」
「なんだそれ」
そんな彼は、塩辛をツマミに焼酎のロックをちびちびやっている。あぐらをかいた姿からも、年期の入ったオヤジ臭さが。
「もしかして真吾も浪人してた?」
思いっきり睨まれた。どうやら同い年らしい。
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