Underdog
6
「みんな揃ったみたいだね」
ドトールの紙袋を持って現れたのは、赤磐さんだ。でもネクタイはしてないしシャツの色も赤のチェックとかなり派手だ。あ、そうか。名前とお揃いにしたのか。
「その様子だと、自己紹介くらいは済んだかな」
「自己紹介どころか一触即発っすよ」
俺は口を尖らせて言った。が
「なるほどね、それは良かった」
日本語通じないのかよこの人は。なんでそこで笑顔?
赤磐さんはコーヒーに口をつけると、馬鹿でもわかるような丁寧な口調で言った。
「君たちをただの仲良しバンドにはしたくないからね」
この人やっぱり悪役だ。ラスボスじゃなくて、ボスの忠実な部下あたりの。
「得意な楽器を持ってきているはずだけど、そのポジションが確約されているわけじゃないってこと。つねに取って代わられる可能性がある……というわけさ」
大河内真吾がにやりと笑った。
っていうか社長はスポ根系の漫画読みすぎ。
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