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Underdog

「20分も遅れてきて何ほざいてんだよ」

手負いの獣もとい来生がすぐに噛み付いた。
つーかさっき俺が使った手じゃん。予想以上に効いたみたいね。

「遅れたんは謝るわ。得意な楽器絞り込めなかってん。誰か、ドア持っててくれへん?」

大河内真吾がギターを背負ってるのは見えた。が、他にも伏兵がいた。

「ギターはエレキとアコースティック。ほんでトロンボーンにキーボードな。そっちはハーモニカと……」

台車を押して来てたなんて誰が予想できたか。店でも開けそうな勢いで、スタジオを大河内の荷物が埋めていく。

「……全部得意なの?」

ちょっと目が覚めたっぽい大鳥が聞く。

「当たり前や」



肩を竦めて、大河内は一つずつ持ってきた楽器を演奏しだした。


どうしよう……うまい。
テクニックがハンパない。
多少かじってます程度かと思ってたのに…はったりじゃなかったんだな。


しまいには、大鳥を退かしてドラムを叩き、秋栄のギターを借りて鳴らしてみせた。



「どうや?」


勝ち誇った笑みが、非常にムカつく。

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あきゅろす。
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