Underdog
1
家に帰った俺は、まず実家に電話した。
「あ、潤兄? 大至急持ってきてほしいものがあるんだけど……そう、うん。今日中にさ」
てめぇ突然過ぎるんだよ人を万年暇だと思うんじゃねぇ!と一通り罵声が飛んできた後、
「持って行ってやっても良いけど、……何を?」
むしろ何を運ぶかも知らずにここまで怒るのもいかがかと思うよ、俺は。
目的の物をひとまず出世払いで受けとった。
触り慣れたこの形に、こんなに早く再会することになるなんて。
竜彦と一緒に短期のバイトで貯めた金で買った、ギブソンのレスポール。
「……明日からよろしくな」
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