Underdog
７
「さっきはああいって君らをけしかけちゃったけど、堅苦しい話はひとまず置いといてさ。まずはお互いを知るところから始めるべきだと思うわけ」
「何をいまさら……」
「最初くらいはっきりさせとこうよ。あとはなるようになるし」
「なんだかなぁ」
「グラスは渡ってるね？ じゃあ、カンパーイ！」
最悪な再顔合わせの後、俺達は大衆居酒屋の一角にいた。
乾杯と言われちゃしょうがない。中ジョッキのビールを一気に半分まで飲み干す。
喉から五臓六腑に染み渡る爽快感！
「っくぁーっ、美味い！」
「……僕より親父臭いよ加嶋くん」
テーブルの上には、おつまみキャベツやらフライドポテトやら鶏のから揚げやらが賑やかに並んでいた。
赤磐さんの手際が良すぎる。
早々に一杯目を飲み干してしまった。すぐに察知したらしい秋栄が、ドリンクのメニューをくれた。
「次何飲む？」
「えーと、じゃあビールもう一つ。あと枝豆頼んでいい？」
「枝豆って……どこまでもオヤジ趣味だな」
「んだと来生、お前だって……それなに？
「ソルティドック」
「うわっ小洒落たもん飲みやがって。キモーい」
我ながら言い掛かりも良いところだ。なんでこいつには突っ掛かりたくなるんだろう。
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