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Underdog
11
「バンド……?」

しかもこのメンバーで?
しかも上司命令?
え、なんで?

全員が、俺と同じく困惑した表情を浮かべていた。

「では、私から簡単に説明させていただきます」

用心棒……赤磐さんが口を開いた。意外にも丁寧な口調。

「当社では音響機器を取り扱っているのは承知の通りですが、その新たな販売戦略として、セルフプロデューシング計画を打ち立て、2年後の実現を目指して進行しています。具体的には、当社で音楽に特化した芸能プロダクションをもとうという計画です。うちの機材をご愛用いただいた方への恩返しという意味合いもありますが」

2年後なんて先の話じゃん……。と思ったら、驚愕の続きがあった。

「――ともかく、君達にはそのプロダクションの看板になってほしい」



看板って……そんな簡単になれるもんなのか?
2年っていう期限が短いのか長いのかさえ見当がつかない。

そもそもどうして……

「……どうして僕たちなんですか?」

インテリメガネこと坂出秋栄が手を挙げて質問した。俺の心を読んだみたいなタイミング。

が、赤磐さんは余裕の笑みを浮かべ

「君達自身が1番良くわかっているはずです」

俺たちの心を見透かすように目を細める。


――そう、分かった。



悔しいけど、すぐに思い当たった。





音楽を捨てたといいながら、まだ未練たっぷりな人間。


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あきゅろす。
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