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二人へプレゼント(アレ+ハレニル)
2月28日はアレルヤの誕生日。それを知ったのは2日前のことで、プレゼントなんて結局買う間もなく―地上に降りる日がなかった為―当日を迎えてしまった。
それでも祝うことくらいはしてあげたくて、ロックオンは朝起きてすぐにアレルヤの部屋へ向かった。

「アレルヤ」
「あぁ?」

ドアが開いてすぐにアレルヤの姿が…と思ったが、よく見ればハレルヤだ。今日はハレルヤの誕生日でもあるのだから、会えてよかった。

「あぁ、ハレルヤか。あのさ、今日は」
「今誰か来て…ロ、ロックオン?!」

ちょうど死角になっていた位置からアレルヤが現れて、ロックオンを見つけて驚く。そしてロックオンもアレルヤとハレルヤを交互に見つめて目を丸くした。

*

「原因は不明ってか」
「起きたらこうなってて…」

僕にも何故こうなったのかさっぱりなんですとアレルヤは言った。
アレルヤは自分の中にハレルヤというもう一人の人格を宿していたはず。なのに今はアレルヤとハレルヤ、二人が別れて存在しているという状況。

「ハレルヤは何か分からないのか?」
「知らねぇな。俺も気が付いたらこうだ」

ハレルヤは何故こうなったか興味はないようだが、アレルヤは真剣に考えている。
「…そんなに深刻に考えなくてもいいんじゃないか?」

その言葉に二人は不思議そうな顔をする。

「だって悪いことじゃないだろ?俺はお前らに別々に会えて嬉しいと思ってるよ」

いつもはどちらか一人にしか会えないけど、今は二人別々に…一度に会える。それが嬉しいんだよ。
にこりと笑ってロックオンは言う。

「…ロックオンらしいですね」
「あぁ、アンタらしい」

そんな彼に二人も笑った。
二人に会えて嬉しいだなんて物好きはロックオンぐらい。アレルヤの中のハレルヤを認めて、二人共に愛してくれるのはこの人だけだ。

「ちょうど言いたいこともあったしな」

ロックオンは二人を見つめながら言った。

「アレルヤ、ハレルヤ…Happy Birthday」

そしてそのまま二人に抱きついて、大好きだぜと伝えた。
彼の言葉にアレルヤは幸せそうに微笑み、ハレルヤも優しい笑みを見せた。

「ありがとう」

今まで誕生日を祝ってもらった記憶はなく、アレルヤの中では誕生日は大切な日などではなかった。初めてだった、こんな風に祝ってもらうのは。

「凄く、嬉しいです。僕も…ハレルヤも」

そうだよねとハレルヤに同意を求めたが、視線をそらされた。
だが、嬉しいと感じているのだろう。ハレルヤは違うならはっきりと言うはずだから、何も言わないのはただ照れているだけだ。
アレルヤはにこりと微笑んでロックオンを見れば、なんだか少し落ち込んだ顔をしていた。

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