02
朝ご飯を食べ終わり、銀ちゃんはフラフラとどこかへ行ってしまった。
美咲は洗濯物をベランダに干して、総悟は朝の食器を洗っていた。
「美咲、バイトどうしやす?」
『あ・・・』
そういえば、今日は夕方からバイト入れてたんだっけ?
すっかり忘れていた。
『銀ちゃんの生活を助ける為にも、稼がなきゃね』
「美咲の言うとおりでさァ、じゃあ4時頃に行きやすかねィ」
銀ちゃんは一応アレでも仕事をしているみたいで・・・
何だっけ?万事屋とか言う何でも屋を営んでるみたい。
スナックお登勢って言うスナックの2階を借りて、経営してるんだって。
多分、今日もそこに行ったんだと思う。
『ねぇ、今度万事屋行ってみようよ』
「そうですねィ、あのプーでも出来る仕事って言ったら猫探しくらいですかねィ」
『可哀想だよ、きっと銀ちゃんもちゃんと仕事してるんだよ』
「そうだといいんですが・・・」
総悟が洗い物をしながら呟いた。偶然、美咲の耳には届いていなかった。
美咲は軽く鼻歌を歌いながら、洗濯物を干していた。
その時、ベランダの下を高校の制服を着た女子が数人歩いていた。
それは私が中学生だった時、私を苛めてた人達だった。
そして、体は勝手に震えだしさっきまで歌っていた鼻歌は消え――・・
『イ、ヤ・・・』
「美咲・・・?」
丁度、洗い物が終わってこっちの様子を見に来た総悟が##name1##の様子を見て声をかけた。
そして、楽しそうに歩いていた高校生達はこちらに気づいた。
「ねぇ、あれって美咲と総悟くんじゃない?」
「え?本当だぁ」
『イヤ、総悟っ』
「美咲・・・」
総悟は美咲を支えて部屋の中へ連れて入った。
高校生達は「出て来いよー」と叫んでいる。
美咲の震えは止まらず、総悟が抱きしめていた。
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