02
その後、私への苛めはなくなった。
本当にありがとう、総悟・・・。
ある日、家でおばさんに呼ばれた。
「貴方達、もう少しで中学も卒業よね?」
『はい』
「それでね、貴方達は高校へ行かずに働いて欲しいの」
それは、残酷な一言だった。高校へは行かずに働け?
でも「嫌」と言えば追い出されてしまう。
今の私達は、ここから追い出されたら行く所なんて無い。
「分かりやした・・・」
それ以外に選択肢はなかった。
そして、総悟と私はその日から仕事を探し始めた。
総悟も私も中学生には見えない。
少し大人っぽく歳を誤魔化してもバレないだろう。
・・・と探していると、いい所があった。
ここから歩いて20分あたりの所にあるコンビニだった。
「ここにしやしょう、美咲」
『そうだね。ここなら近いし、高校生OKって書いてあるよ。歳は誤魔化せばどうにかなるし・・・』
という事で、後日面接へ行ってみた。
コンビニはいたって普通のコンビニで特別綺麗って訳ではないし、だからといって地味って訳でもなくて・・・
本当に普通のコンビニだった。
『あの、面接に来た近藤ですけど』
「あぁ、近藤さん・・と近藤くん?双子なんだっけ?」
「はい」
店長の名前は、長谷川店長。何時もグラサンをかけている。
長谷川店長は、私達の事を中学生だと見破ってしまった。
『ご、ごめんなさい』
「何か事情でもあるの?」
「俺らには、両親がいないんでさァ。それで、おばさんの所へ預けられて・・・」
総悟は、長谷川店長に今まであった事を全て言った。
何故か、長谷川店長は号泣していたけど・・・
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