テニスの王子様
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「ちょっと!今の言葉、取り消しなさいよ!」
「まぁまぁ!朋ちゃん!」
自販機の前で、何か口論になっているようだった。
よくみると、青学の制服を着た女の子2人だった。
そしてその子達と口論になっているのは、その子達の年上くらいの子達。
みんな女の子だ。
「青学が負けるですって!?やってもないのに勝手に決めつけないでよ!」
「はぁ?青学よりもうちの学校の方が強いに決まってるでしょう?生意気ね!」
私は見てないふりをしようと思っていた。
どうせ口論だけで終わると思っていたから。
でも、年上の子達は大人数でいつのまにか、青学の子達を囲んでいた。
年上の子達の手が空に向かって上がったとき、私は思い切り近くの蛇口を捻った。
指で彼女たちに当たるように。
「きゃあ!何!?」
「あなた達!大人数、しかも手を出すなんていいと思ってるんですか!?」
「なんだよこいつ!うざっ。行こう!」
その子達は走って行った。
私はすぐに振り向いて、青学の女の子2人に声をかけた。
「大丈夫?ごめんなさい。少し濡れてしまったわね。これ使って。」
私はハンカチを取り出して2人に渡した。
「いえ、ありがとうございます。助かりました」
そう朋ちゃんと呼ばれていた子が言うと、二人とも微笑んだ。
私はそれを見てほっとする。
「青学…の子達よね?」
「はい。バカにされたのでついカッとなって…。もう!リョーマ様が勝つに決まっているのに!」
「リョーマ様…?」
えっ!
リョーマさんってそう呼ばれてるの?
知らなかった。
リョーマさん、もてそうだしな…。
「はい!リョーマ様は本当につよくてかっこいいんです!絶対、リョーマ様が勝ってくれます!」
あらあら。
リョーマさんったら…。
そのうちすぐに彼女が出来てしまったりして…。
それはちょっと、寂しいな…。
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