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●かすみかくし うつつ[高銀]
成人向です。
ご注意。












     +かすみかくし うつつ+




砂塵舞う中。
視界は悪く、一寸先もけぶってよく見えない。
特攻部隊の先陣を切る銀時は耳に集中し、敵の攻撃を躱していた。


ざりざりと砂を蹴る音に混じり刀剣のぶつかり合う音がする。
すぐ側を掠める切っ先を弾き返し
「…っの野郎ォ」
吠える。

負けじと刀を奮うその後ろで

「ぎゃ」

短い悲鳴が上がる。
目を向けた先に、自分の隊にいた者の鉢巻が見えた。

「おいっ 平気…」

声の方へに走り出すも
「離…せ うぁぁあ…」
その声が離れていくのを感じ、追いかける。
「どうした! おい」

砂煙でよく見えない、声の先を探す銀時に、横から手が伸びた。

「がっ… んむ っ」

首を極められ口を塞がれ、反射的に刀を振り下ろすが相手には届かず。

「てめっ 何しやが…」
鳩尾に衝撃。
揺れる意識の中で
「ふん 暫く黙ってろ」
そう吐き捨てられたのがわかった。











目を空けると、見覚えのない部屋。
ぼんやりと周りを見ると、縛られた二人の同朋の姿。


「…っ 銀時っ」

銀時が目を覚ましたのに気付いた同朋が小さく声をかけてきた。

「田辺… と川野 か」
「川島だ いい加減覚えろ」

あーゴメンゴメンなどと言い合っていたが、ふと表情を変える。

「…ここは?」
「どうやら天人の船内の様だが… お前体は平気か?」

二人同様、銀時も縛られてはいたが、特別何処が というのはなく、平気だと答える。
見回すと部屋は薄暗く、地球の物でない文字の書かれた箱や袋などが雑然と置かれている。
窓は格子の嵌まった小さなものしかなく、物置の様だと銀時は思う。

「拉致られたってトコか… 奴等は?」
「分からない…俺達が目を覚ました時は誰も…」
「見つからねぇうちに逃げるか…縄を…」

こそこそと話していると、靴音が近付いてきた。
ガチャリ とドアノブが回る。

「お 目ェ覚ましたか」

そう言って部屋に入ってきたのは狗のような頭の天人。
ひゃひゃ と笑いながら目を擦っている。

「上手いこと拾ってこれたな 砂埃はキツかったが…ったく適当に殺さねェで取っ捕まえてこいだぁ 面倒な事言いやがって」

一人愚痴を零しながら、通信機を取り出し話し始める。
程無く4、5人の天人がその部屋にやって来た。
「よぉ 上手く捕まえてきたじゃねぇか」

爬虫類のような頭部の天人が銀時達をじろじろ眺め回す。

「で?どうすんだコイツら」
「捕虜かなんかにするのか?」

目の前でわやわやと交わされる話に身を固くする三人を見ていた天人のうち、一人が、何かに気付いた。

「おい コイツ」

そう言って銀時を指差す。

「白夜叉じゃねぇか」
「あぁん?」

天人達が一斉に注目する。

「そういや白いのが混じってんなと思ったけど…」
「コイツが?本当かよ」
「違ぇねぇよ この髪に白い着物」

尖った耳の天人が銀時に近付き、顎を掴んで顔を上げさせる。

「そんでこの生意気な目ェ」

くっくっと笑う

「そんならさっさと殺して首級上げちまおうや 白夜叉となりゃ大手柄だ」

狗頭が剣を抜く。

「やめろ!てめぇら 」
叫ぶ川島を
「うるせぇんだよ」
横にいた天人が殴り飛ばす。

「まぁ待て ただ殺しちまうのはワケねぇが」
尖った耳の天人がニタリと笑う。

「少しオハナシ聞いてからでも遅くはねぇだろう」

銀時がびくりと反応した。

「白夜叉 幹部クラスなら攘夷志士共の情報持ってるに違いねぇ」
「なんだ 拷問でもして吐かせようってのか」

爬虫類頭の天人が愉快そうにゴキゴキと指を鳴らす。

「それもいいが 折角の獲物が何も吐かずに死んじまったら意味がねぇ だから」

尖った耳の天人が懐から金属製のケースを取り出した。


「コイツで喋って貰おうか なぁ 白夜叉」

かしゃ とケースを開け、アンプルを取り出し銀時の目の前で振ってみせる。

「薬ってのは使いようでな コイツは元はただのハッピーになる薬さ だがちょいと調合を変えてやると」
ひひっと笑い
「色んな事喋りたくなっちまうのさ」

「はっ…ちょっとやりすぎじゃねぇの?つか俺注射嫌いなんで」

物言いはふざけているが、銀時の顔が青ざめている。

「なァに 痛いのなんざ一瞬さ おい」

合図に、他の天人達が銀時を押さえ込む。

「ちょっ… 離せ」
「大人しくしてろよ 手元が狂うかもしれねぇぞ」

無理矢理顔を上げさせられた先で、田辺達が喉元に剣を突き付けられて居るのに気付き、歯噛みし抵抗を緩めた。

「銀時さん… 俺達に構わねぇで…っ」
「よしよし イイコじゃねぇか ほら」

銀時を押さえたまま、着物の衿を引っ張り肩を露にする。

「喋ってる間は天国見れるぜ その後は知らねぇがな」

天人がアンプルから薬液を吸い上げた注射器を叩き、肌に押し当てる。
ぷつ とその針先が皮下に潜る。

「…っ 」



声を漏らし天人を睨んでいた銀時が、がくりと項垂れた。






「気分はどうだ? 白夜叉」

頃合い見て、尖った耳の天人が銀時に話しかける。

「んー…」

項垂れたままの銀時は小さく頷く。

「名前は?」
尖った耳の天人が他愛もない質問をすると
「……ぎんとき」
ゆっくりと答え始めた。

「お前は今何してる?」
「じょうい…せんそう あまんと たおして… せんせい…」
「まぁ大体効いてんだろ じゃあ」

本題だ と天人が聞く。

「お前のとこの作戦参謀は誰だ?」
「…… た かすぎ」
「ほう それなら次は何処から…」
「銀時ッ 駄目だ それ以上…!」
「てめぇにゃ聞いてねぇぞコラ」

川島が声を上げるが、側にいた天人が腕づくで黙らせる。
ぐ と苦悶の声が聞こえる。

「ふん …それで?次は何処から攻めるんだって?白夜叉」
「つぎ… しらない いってなかった」
「本当か?」
「ん…」
こくりと頷く銀時に
「チッ… こういう事態まで想定してんのか高杉ってヤツは まぁいい」

下手に情報が漏れないよう、直前まで作戦を教えないのも策略にしていると踏んで、更に質問をする。

「お前等のアジトはどこだ?今は何処に…」
「…いま は」







部屋のドアがガン と開いた。



「…居た」

息を切らせて入って来た黒い人影。

「高杉さん…っ」

「てっ テメェ何処から…」

天人が言い切る前に閃光が走る。
高杉の後から入って来た桂と数人の志士が最小限の音で天人達を切りつけたのだ。
同朋の姿に田辺達が安堵の表情を浮かべる。

「あぁ… 助かっ… 」
「静かに さっさとずらかるぞ」

縛られていた縄を解かれ、二人は立ち上がった。

「ほら ぼやぼやするな」

銀時も縄を解かれ、高杉が腕を引くが立ち上がる様子がない。

「高杉さん… 銀時さんが…」

田辺が薬を打たれたことを話す。

「…… で?この馬鹿はどこまで話した?」
「それほどは…高杉さん達の到着が早かったおかげで…」
「…そうか」

まだ息のある天人に近付き
「まぁ何聞き出そうが 死人にゃ口はねぇ」
高杉が刀を握り直す。
「……変なモン使いやがって」
言葉の前に『俺のモノに』と聞こえた気がしたのは桂だけではなかっただろう。

怒りを露にした瞳で
「天誅!」
刀を降り下ろす。

呻き声を残し、天人は動かなくなった。


まだ憤り収まらない声で、高杉が皆に早くこの場から出るように言う。

「ったく 薬なんざ使われるとは…」

銀時をどうにか立たせ、天人の船を離れた。





暗い森の中。
野営地から少し離れた木の下で、座らせた銀時の前に立ち、桂と高杉は大きく溜息を吐いた。

「自白剤とは厄介だな」
「あぁ 想定はしていたが…まさか本当になるとは」
舌打ちをする高杉を横目に見て
「そうだな… おい銀時」
桂がしゃがんで、銀時に話しかける。

「お前の好いてるのは誰だ?」
「…おいヅラ」

桂の後ろから高杉が頭をがしりと掴む。

「テメェふざけてる場合じゃ…」
青筋を立てた高杉をよそに
「 …たか…すぎ」
銀時はゆっくりそう答えた。

「ふざけてなどおらん 要するにこういうことだ」

手を払いながら、桂が真顔で言う。

「今の銀時は誰に何を聞かれても答えてしまう 中には味方といえど聞かれたくない 聞かれて困ることもあるだろうが」
「… だけど どうしろと…」
「時間が経てば薬は切れるだろう それまでお前が付き添ってやれ」
「… 仕様がねぇな 」

渋々という風に高杉が了承する。

「良いではないか 銀時のご指名だろう」
「……」

苦い顔をして見せるが、満更でも無い様子だ。

「俺達は万一に備えて移動する ゆっくり行くからお前達も早めに合流するんだな」

桂とて銀時が心配でない筈がなく。
表情のないその頬を優しく撫でている。

「わかった…」





















足元の覚束無い銀時に肩を貸しながら、高杉は夜の森を進む。
やがて寂れた神社に辿り着いた。
周りに人気は無く、身を潜めるには充分だ。

破れかけた障子戸を開け、板間にゆっくりと銀時を寝かせる。
隣に座り込んでようやく高杉は一息を吐いた。

意識はあるものの、ぼんやりしている銀時は時折小さく声を上げる。
こんな状態でも、さっきの桂の問いに自分の名前を出した時は不謹慎ながら心臓が高鳴った。
いつも小憎たらしく素直でない銀時の、秘めていた心の内だったのだから。


「天人の野郎…」

その想い人を、同じ戦場に居ながら拐われた事に自分に腹が立つが、彼に薬なぞ使った天人に対する怒りも大きかった。
桂の言うようにちゃんと効果が切れれば良いが、もしこのまま―――そう考えると胸の奥が何かに握り潰されるようだ。

とにかく少しでも薬を薄めようと、水を求めて外へ出た。



「水だ 飲めるか?」

高杉が戻る。
銀時に手を貸し、水を満たした水筒を口元に近付ける。

「み ず 」
「そうだ 飲め」

手に少し水を受け、唇に付けてやると舌を出しちろちろと舐める。

「ほら もう少し…」

水筒を渡し、支えて水を飲ませると、こくりこくりと喉を鳴らす。
飲み終えて、ふ と息を吐くと少し満足そうな表情を見せた銀時に、高杉も顔を緩めた。

「もっと飲むか?」
銀時は小さく頭を振る。
「そうか …明日になりゃ元に戻るだろ 今は休め」

装備を外してやり、横にさせると程無く静かな寝息を立て始める。
それを見届け、高杉も入口の近くに横になった。








肩の辺りにもぞりと動く温もりで高杉は目を覚ました。
障子の隙間から差し込む光はまだ弱く、明け方のようだ。

「 ん…」

寝ぼけたまま温もりの本体に手を伸ばすと、よく知った感触。

「銀時… 起きたか」

柔らかいくるくるの髪を撫でる。

「高杉… ここどこ?」

銀時の口調が戻っているのに気付き、高杉がほっと胸を撫で下ろす。

「テメェが薬なんざ使われて何でも喋っちまうからって ヅラが気回して暫く隊から離れてろってよ」
「薬… 俺…何か喋って」
「殆ど喋ってはいないそうだ まァ聞いてても皆殺っちまったがな」
「そっか」

聞いて、銀時は身を起こし高杉の胸の上に頭を乗せる。

「川島と田辺は…?一緒に捕まった…」
「無事戻った 今頃は桂達と移動を始めてる筈だ」
「なら良かった…」

ほっ と息を吐くのが聞こえ、しかし銀時がそこを退く気配はない。

「…おい?」
「 …なぁ 高杉」

一つ間を開けて

「俺おかしくなっちまってるかも」

ぽそりと言う。

「今更だろ」
「…殺すぞテメー」

高杉の胸の上でごろりと向きを変え

「すげぇしたいんだよ」
「何を?」
「ナニを」

ぎゅ…と銀時が着物の袖を掴む。

「…体が…変」
「……お前…」

顔を上げた銀時の、目が潤んでいるのに気付く。

「薬のせいか?大丈夫…」
「頭少しくらくらする…それより…」

また俯く。

自白剤で理性を飛ばされていた余波か。
普段隠れている本能の部分が顔を出しているらしい。
自分でも抑えられない体の熱に銀時自身戸惑っていた。


ぽんぽん と高杉は銀時の頭を撫でて
「体動かしてさっさと薬抜いちまえ 付き合ってやるよ」
大丈夫だから、と
「ん…」
「据え膳喰わねぇ男じゃねぇからな 俺ァ」
「…あほ」

口付けた。



着物の合わせに手を差し込む。
少し汗ばんだ肌を撫でると、銀時が小さく喘ぐ。

「ん ふ…」
少し手を動かすだけでも反応するのを見て
「随分感度いいんじゃねぇか? なァ…」
ふざけた高杉の言い様に、いつもなら悪態の一つでも返ってくるのだが、銀時は聞こえてすら居ないように声を漏らすだけだ。
それを見て眉間に皺を寄せる。

「…銀時…」

小さく舌打ちし、銀時の着物に手をかける。
袴の帯を引いて容赦なく裸にしていく。

「 た かすぎ…」
「邪魔だろ なぁ」

最後に残った下着の中で主張する銀時自身に直に触れ、高杉が小さく笑い声を立てる。
しかし、その目は笑っていない。

「触ってもいねぇ内からこんなかよ」
「だ め…」

幾らも触らない内に、銀時は手のなかで精を放った。

「う… 」
「いつもに増して早ぇな そんなイイのか?」
「イ… たか すぎ」

焦点の合わない瞳で見上げて来るのを薄い笑みで返して。
萎える様子のないそれに手を添え、上下に擦る。
甘い吐息を漏らしながら、銀時はそろりと後口に手を伸ばす。

「なんだ?そっちも足りねェか」
「ぅん… ん」
「だらしねェ体だな」
「たか すぎが…おしえた」
不意に返された答えに

「…随分淫乱に育てちまったみたいじゃねェか」
ニヤリと口の端を上げる。

「じゃあちゃんと責任取ってやるさ」

足を広げさせ、秘所にさっき銀時が放った精を指で塗り込み、中への浸入を始める。
ひくひくと収縮するそこは滑りを伴って指を容易に飲み込んでいく。

「んっ あ」

堪らないと言うように銀時が首にすがる。

「おく…ぅ」
「ココだろ?」

奥の膨らみを撫で、傍にあるポイントを緩く押すと、銀時が息を詰めた。

「ひぅ… っ」
「そんな締めんなよ 指だけでイっちまうか?」

中で指を動かしながら、高杉が銀時の中心をもう片方の手で包み刺激してやると、呆気なく二度目の精を放った。


ぴくぴくと小さく痙攣しながら肩で息をする銀時に
「少しは落ち着いたか?」
聞くと、高杉のまだ半端な状態の中心にゆっくりと手を伸ばしてきた。

「何だ?」
「これ が いい」

顔を近付けて服の上から甘噛みする。
それを見て高杉が喉を鳴らす。

「そうかィ ならちゃんと使えるようにしてみな」

促すと、銀時が高杉のズボンに手をかけ、高杉自身を取り出した。
その先端をぺろりと舐める。
理性が半分飛んでる状態とはいえ、目の前の想い人の淫らな姿に反応しないわけもなく。
熱は下半身に集中して堅さを増していく。

「ふ ん…」

大きく口を開けて、躊躇なく高杉自身を咥えると、じゅぷ と音を立てて吸い付く。
「…っ」
思わず顔をしかめた高杉を上目遣いに見やり、舌を絡めながら吸い付きを強くする。
「んぅ… っ …っ」
声を漏らしながら奥まで頬張り、口内を擦るように、うっとりとした目付きで上下に頭を動かす。

「イイのか?」
高杉が聞くと
「ん ぅん…」
銀時は頷く仕草を見せる。
生暖かい口内に追い立てられ、一気に上り詰める快感に高杉が息を荒くする。

「…もう少し好きにさせてやりてェが …俺もそんなに余裕ねェな」

銀時の頭を片手で捕まえ、上を向かせる。
屹立した高杉自身が口から抜けて、溢れる唾液が口の端を伝う。

「ん……」
「このまま出されたいか?それとも違う所にするか?」
言われて、銀時は
「…ちがう トコロ」
もじり と腰を動かした。
「何処だ?こっちに見せてみな」
高杉が身を乗り出し、そっと銀時を押し倒す。
仰向けにされ、足を開くと銀時自ら秘所を指で広げ
「は やく」
誘う。
先程まで高杉に弄られていた其処は、ひくひくと収縮し、白い肌の間に赤く濡れた粘膜が見え隠れしている。

「… そのまま広げてろよ」

高杉の中でも理性の糸が張り詰め、きりきりと音を立てていた。
今すぐ奥まで貫いて突き上げてしまいたくなるのを抑え、自身を銀時のそこへ当てがいゆっくりと埋め込んでいく。

「…っ ぁ くっ…」

待ちかねた快感とまだ慣れきれない身を開く痛みに、銀時が声を上げる。
弓なりに反った背に高杉が手を添え、腰を掴むと更に奥へと進める。

「痛ぇか?」
「い…た けど …もっと」

奥へ とせがむように腰に脚を巻き付けられ、高杉の理性の糸も限界を見せた。
ず と入口まで引き抜き、一気に奥を突き上げる。

「っ は あぁ―…っ」

強い刺激に、銀時が大きく喘ぐ。

「ちょ… 締めすぎ 力抜け」

絞るような強い締め付けに高杉が眉間に皺を寄せ、快感をやり過ごそうとする。

「む り …ぁ」
「―…っ 動くぞ」

銀時の足を掴み、動きを速めて責め立てる。
それに合わせて漏れる声は次第に高くなっていく。

「ぁ も だめ… イっ…」

眼に涙を溜め高く鳴き、銀時が白濁で自分の腹を汚す。

「っ 出す ぞっ」

その締め付けに高杉も絶頂を向かえ、最奥で熱を放つ。



「は ふ …あつ…」
「銀時…」

銀時の頬へ零れた涙を、高杉が唇で掬い上げた。












「あ――… だりぃ」

外は随分明るくなって。
破れ障子からは朝日が差し込んでいる。

「まァ そうだろうな」

高杉は涼しい顔で煙管を揺らす。

自分で望んだとは言え、薬の切れかけた理性の外れた状態での情事に、銀時はかなり疲労していた。

「もー暫く何も出ねぇ…タマ痛ぇ…」
「一人でイキまくってたからな」
「〜〜――…」

与えられる快感に抗う事も出来ず乱れ、やらかしてしまった事が脳裏に蘇ってくる。

「…くっそ 最悪だホント …」
「テメェが天人なんかにホイホイ捕まるからだ 白夜叉が聞いて呆れるぜ」
「うっせー んなこと言ったって…」

くしゃり と銀時の頭に高杉が手を置く。

「薬抜けたみてぇだからいいけどよ お前一歩間違えりゃ廃人だぞ?」
「………」

言われて、銀時が僅かに顔色を変える。

「そうでなくても 尋問したら殺されてたか玩具にされてただろうが」
「…それは」
そんなの
戦場に行くと決めた日に覚悟は出来てると言おうとする銀時に
「少しは自分にも気をつけろ」
こつり と高杉が額を当てて
「でねぇと俺が保たねェ」
囁くように言う。

一時固まってから銀時が後ずさった。


「…ちょ おま… 高杉…っ」
「なんだよ」
「なんだよって… 」

幼馴染みのこの男の、子供の頃とは違うそんな仕草に驚く。
そして同時に自分の鼓動の速さにも焦る。


「あー… こーやっていつも女口説いてんのか 」
誤魔化すつもりが
「女は勝手に付いて来らぁ」
しれっと返され
「うーわムカつく」
チッ と舌打ちする。

それを見て、高杉が、銀時を見つめて
「口説くのはお前だけだ」
柔らかく笑う。

「――…」

とどめを刺され、銀時が今度こそ耳まで赤く染まった。




「さて そろそろ仕度するぞ 動けるか?」

高杉が立ち上がり、銀時を起こす。

「どうにか… 風呂でも入りたい気分なんですけど」
「傍に井戸がある 体流してやるよ」
「おかまいなくー 自分で出来るし」
「遠慮す」
「してねーよ」

悪態を吐きながらも高杉の腕を掴んだ手を離さず。

「早くヅラ達に合流しねぇと…なに言われるか…」

銀時の、いつもどおりの口の悪さと瞳の光に安堵し
「そうだな」
戸を開け、外へ出る。



日の光の眩しさに目を細めた。




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ちょっと若い二人が書きたいなと。まだ素直な…でもない?

戦争中…薬…な妄想で←
いや…知人に「そーいうの好きな〜」とかツッコミいただきましたけど。
銀さんはもしかして苗字なかったんかなとかコミックス見返しながら思ってたり。
ちょっと最近長い話になる傾向があるのかも…です。



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