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▼Text
○Milky baby 〜元〜 [土銀]
女体化話完結です。
苦手な方はご注意。











土方が家に来た次の日の夕方、突然気を失った。




    +Milky baby〜元〜+




「銀さん!」
「銀ちゃん!」

新八と神楽の呼ぶ声が頭に響いて
「…んぁ」

重い瞼をこじ開けた。



「よかった…銀さん 痛いとこありませんか」
「おー…ちっと頭打った…」


気が付くと万事屋のソファの上だった。

痛む後頭部を擦りながら体を起こす。
確か…立ち上がった時倒れたんだっけか?
覚醒しきらないままぼんやりしていると

「あ 銀ちゃん…」

突然神楽が俺を指差す。

「おい神楽〜 人を指差すもんじゃ」
「銀さん 体が…」

新八も驚いた顔をする。

「体?」

言われて自分の体を見下ろすと、胸の膨らみがなくなっている。
服の肩辺りもぴったりしているような…これは…

「…もしかして」

すぐに向かったのは厠。






「…戻った」

厠を出て開口一番。
ムスコが…体が男に戻っていた。

「良かったですね 一時はどうなるかと」
「ほんとネ これで心配なしアル」
二人にそう言われ

「あーもーホント助かった…」

久しぶりに憂鬱でない溜息を吐く。

「戻らなかったらどうしようかとか ホント考えましたよ」
「もしそうでも銀ちゃんは銀ちゃんネ まぁ女の方が仕事の進みはよかったアル」
「あーそーねー」

神楽のそんな言葉も軽く受け流せる。
元に戻った余裕ってトコだろう。

「んじゃ 夕飯は俺が何か作ってやるか」
こいつらにも心配させちまったし。
「やったー」
「そしたら皆で買い物行きましょうか」


心なしか足が軽い。
新八と神楽と連れ立って、夕飯の買い出しに出かけた。







ピンポーン


夜も更けたころ。
インターホンの音に玄関に向かうと、いたのは黒い着流し姿の土方。

「戻ったって?」
「うん …つーか何処で聞いたん?」
「…総悟が夕方見かけたっつってたから」

買い物に出た時にでも見られたか。
後で連絡してやろうと思ってたけど、お巡りさんの情報網のが早かったようだ。
そのまま突っ立っていると、俺を上から下まで眺め回しだした。

「何だよ?あんま見てると金とんぞ?」
「ちゃんと戻ったんだな」

そう言って何か抜けたような顔を見せる。

「お前 仕事は?」
「今日はちゃんと終わらせてきた」
「そいつはご苦労さんなこった」

入れ と言うでもなく玄関を開けたまま応接間の方へ向かう。
後ろから奴の足音が付いてきて、急に抱きしめられた。

「…戻ってんなぁ」
背後で呟かれて
「何だ 残念だったか?」
視線だけそちらへ向ける。
「あの胸は見事だったがな」
「…普段興味なさそうなフリしてムッツリか やっぱりおっぱい星人か」
「うっせ 男なんだよ」

土方が俺の首元に顔を埋め、小さな声で聞いてきた。

「今は一人か?」
「いや 神楽いるぜ?もう寝てるけど…」
押し入れのある居間の方をチラ見して
「何?酒奢ってくれんの」
少しだけ大きい声で言う。
「あ… おぉ」
察して土方が話を合わせる。

「そーかそーか 神楽〜 銀さん出掛けてくるから」

寝てて聞いてないかもしれないけど、ちゃんと声をかけて。
二人で静かに玄関を出た。





「なんか久しぶりだな」

繁華街に向かう途中、しみじみと土方が言う。

「昨日も逢ってたじゃねーか」
「そうだけどよ 昨日は…」

なんつーか と頭を掻くのを見て

「何?別嬪が相手で緊張したか?」
ニヤリと笑うと
「あん?どこに別嬪が居たって?」
鼻で笑われ、膝で背中に一蹴り入れてやる。

「いってぇ」
「ったりめーだボケェ」
「…力も随分戻ったみてぇだな」
「おぅよ もう誰かさんに気付かれなくても平気だし〜」
ムカつくから弄っちゃれ。
「…だから あれは…」
反論できずに土方が口ごもる。

「ま 今日酒奢りに来てくれたから良しとするか」
横目で奴を見ると
「…そうかよ」
煙草に火を点け、煙を吐き出しながら言う。

「…ところでお前」
「ん?」
「見た感じは戻ったみてぇだが…その…あっちは何ともないか?」
土方の視線が俺の下腹部に移る。
「何ともって?」
「ほら…昨日ヤっちまったから」

こいつがウチに来て何も無い方が珍しい近頃。
昨日は女の体だったってのもあって、興味本位に俺の方から誘ったワケだけど。

「だから?」
「ちゃんと戻ったのかって」
「…ムスコは無事ご帰還ですが?」
「そうか …まぁ それなら」
「…ガキでも出来てたらよかった?」
ちょっと言ってみたら
「そんなんじゃねぇよ」
急に後ろから肩を組んできて、耳許に
「お前が何ともなけりゃ それで十分だ」
そんなこと言う。

「…そりゃどーも」

妙に素直だとか思ったり、ちょっと嬉しかったりした事は勿論コイツには内緒だけど。



「さて どこ入るか」

土方がざっと周りを見回したので
「俺ゆっくり出来るトコがいいな」
そう提案してみる。

「ゆっくりなぁ…」
「一緒にご休憩はどうよ?」

にやりと笑う。
つまりはそういう誘いだとすぐ勘づいた奴は、少し困った顔をした。

「構わねぇけど… 平気 か?」
「まぁな あー…でも女で抱いた後じゃお前がムリか?」
「バァカ」
くしゃり と乱暴に俺の頭を撫でて
「お前だったらどっちでもイけんだよ」
不敵に笑いやがった。

「うーゎ…変態警察が」

呟いて、まだ頭に乗ってる奴の手をはたき落とす。


「…一応俺戻ったばっかだからあまり無茶苦茶するなよ?」
「出来たらな」



…心配かけたらしいからちっとはサービスしてやろうかと思ったのだけど。
そっちを考えるより、明日ちゃんと家まで帰れるかを考えた方がよさそうだ。こりゃ。




…xxx







銀時女体化話でした。
土方サンとらぶらぶしたり新八弄ったりな女の子銀さん目指してみました。
textは全年齢にしたかったので土方サンとの夜はコピー本でやってみようかと…

ちょっと長めになりましたが、お付き合いありがとうございました☆

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