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●明けても暮れても [土銀]
性的表現があります。
苦手な方・18歳未満はご注意を。









「…っ」


静かな部屋で、耳に届くのは水音。
必死に耐えるも漏れる喘ぎ声。


「…っ もっ や…」
「でかい声出すと誰か来るぞ?」

小さく笑う声を睨むが、体をまさぐる掌に意識を持っていかれ

「こんの…バカヤロ…ッ」


小さく悪態を吐くしか出来ない。



    +暮れても明けても+




日も暮れかけた、師走末日のかぶき町。
人混みの中、ふわふわと白い髪が見え隠れする。

一人歩くのは万事屋の主。

今年最後の依頼を終えて、家に帰る所だった。



「さぁて どーすっか」

居酒屋の前をひやかしながらぶらぶらしていると、

「おや 旦那」

見知った顔が前からやって来た。
真選組の局長近藤と、沖田の二人。

「何?沖田君ゴリラの散歩?」
「巡回中でさぁ 今日はお一人で?」
「まーな 神楽が新八んトコ行っちまったから」

他愛ない会話を交わし、ふと気付いた銀時が訊ねる。

「珍しいな ニコ中は一緒じゃねえんだ」
「あぁ アイツは今日は…」

近藤が口を開いた。
先の見廻組との一件で土方はかなりの負傷があったにもかかわらず、放って置くと仕事をしてしまう。
今日は休息させるために年末巡回班から外し、屯所に待機させているとの事だった。

「アホだねー 堂々と休みゃいいのに」
銀時が溜息交じりに言う。
「まぁ休めと言われて休む奴じゃないからな」
苦笑した近藤が、そうだ と銀時の方へ向き直す。

「お前この後暇か?一つ頼まれてくれないか」
「何?依頼?」
「あぁ これで酒でも買ってトシの所へ持っていってやってくれ 残りは依頼料って事で」

そう言って、幾らかの金を渡した。







「…っつってよ〜」

真選組の屯所前。
やってきた銀時の手には酒屋のビニール袋。

「今年最後の依頼がコレかよ」

ブツブツと言いながら門をくぐり、近くに居た隊士に声をかけた。

「どーもー 万事屋でーす 副長殿いるか?届けもんなんだけど」
「あぁ ご苦労様です 副長でしたら離れに」
指差された離れには、ぼんやりと明かりが灯っている。

庭を抜けて縁側から上がる。
そっと障子を開けると、卓上ランプの明かりと机に向かう土方の背中があった。

「どぉも 万事屋でっす」

声をかけると、気付いた土方がそちらを向いた。

「お前…何でここに?」
「お宅のゴリラの依頼でな」
「近藤さんの?」

部屋に上がった銀時が持ってきたビニール袋から一升瓶を出し、机に置いた。

「ちゃんと休めってよ」
「… はぁ」

小さく溜息を吐いて、土方が煙草に火を点ける。

「そうは言っても残務処理やらあるんでな 俺だけ休んでるワケにも…」
「年越しくれぇ息抜きしねぇと良い年も来ねぇぞ バカめ」

ぺしっと土方の肩を叩き、そのまま踵を返す。

「帰るのか?」
「だって依頼終わったし 帰ってどん兵衛でゆく年くる年だよ」
「なら少し酒の相手してけよ」
「…何それ また依頼?」
「近藤さんからしっかり依頼料貰ってんだろ?」
「…チッ」

舌打ちして、どかりと銀時が座る。

「素直に"淋しいから居てください"って言えば?」
「誰が淋しいって?」

ぎろりとそちらを睨み、器を取りに部屋を出ていった。



一人残され、銀時が手持ちぶさたに土方の向かっていた机を覗きこんだ。
沢山の書類に面倒な言葉が並んでいる。
お役人は大変だね〜 等と言いながらペラペラと書類を弄っていると、廊下から足音が近付いてきた。
すっと襖が開く。

「何してんだ」

戻って来た土方が書類を脇に避けた。

「何もしてねぇよ」
「あんま見るな お前攘夷浪士なんだろ」
「だっから元だよ元 今はただの万事屋でしょーが」
「だがまだ繋がりはあるんだろう?もし何か洩れたりしたら…」
「疑ってんのか?」
銀時がムッとした様子を見せると
「一応心配してんだよ 疑われてテメェが追われる様になったら困る奴らが居るだろう」
土方が真っ直ぐに言った。

「…―」

黙る銀時に、土方が持ってきた器を渡す。
一升瓶を開け、酒を注ぐ。

「だから あまり無茶するなよ」
「土方君…」

注がれた酒を机に置いて、銀時が土方に向き直った。
近付き、そっと額に触れる。


「万事屋―」


柔らかい仕草に、土方が視線を合わせた。
ゆっくり銀時が口を開く。

「あの…」
「何だ?」


「…熱でもあんのか?何か悪いもんでも食ったとか…」
「…てめぇわ 人が真剣にっ」

予想外れの言葉に土方の眉間に皺が寄った。
銀時がからからと笑う。

「ははっ お前に言われると思ってなかったからよ」
「…フン」
「まぁでも 分かったよ」

今度はちゃんと近付いて、銀時から唇を重ねた。
離れようとした所を捕まえ、土方が更に深く口づける。

「…っ ちょ―」
「お前からしてきたんだろ?」

そのまま畳の上に押し倒す。

「酒のついでだ 付き合え」
「お前…屯所でって 他の奴らに見られたら」
「困るな お互いに」

そう言いながら土方が銀時のズボンと下着を取り去った。

「オイィィ 言葉と動作が合ってねぇ…っ」
「こんな姿誰かに見られて困りたくなかったら」

抵抗する腕を掴み、襟を乱しながらニヤリと笑う。

「精々静かにしてろよ?」





「…っ はっ 」

荒い息遣い。
夜の暗がりに衣擦れの音が嫌に良く聞こえる。

「―ひっ ぁ」
「声出すと外の奴に聞こえるぞ」

体のイイトコロを的確に攻められ銀時が小さく鳴いた。
声を殺し、呼吸だけで喘ぐがどうにも押さえきれない声が漏れる。


「…わざと声出して誰か呼ぶぞ」
「構わねぇぜ?お前のそのカッコ見られて良いならな」


衣服は乱れ、着流しの下は何も着けていない下半身は熱を持って濡れている。
はだけた胸元は白い肌に鬱血の跡が残り艶かしい。

「それにそんな物欲しそうな顔してたらなぁ」
「しっ…てねぇわボケェ」

歯噛みする銀時の中心を擦ると、目を伏せ声を押し殺す。
その仕草に土方が小さく咽を鳴らした。

「…こんな姿誰にも見せやしねぇがな」
「ぇ…? 何?」
「何でも …もうココもいいだろ?」
「…ん…」

ひくつく後口を弄っていた指をどかし、自身を押しあて

「力抜いとけ」

ゆっくりと挿入していく。

「―っ ふっ ぁ」
「痛くねぇか?」
「平気… だから さ…さと 全部…っ」
「わざとゆっくり挿れてんだよ」
「はぁ?」
「あんまりイイ顔するから」
「…っ ホント悪趣味 」

少しずつ体を開かれる感覚に、銀時が身を震わせる。

「全部 挿入ったぞ」
「ん…ひじ かた」
濡れた瞳に見上げられ
「… 早く もっと」
ねだる仕草に、嫌でも熱が上がる。

「―今くれてやるさ」
「――っ ぁっ」


伸ばされた腕を肩に回し、深く体を繋げた。






「あー くっそ」

着流しを雑に羽織った銀時が、酒の器を煽りながら呟いた。

「年の最後に高い依頼になったなぁオイ」
「そのわりに随分悦がってたじゃねぇか」
「…うっせぇ」

紫煙を燻らせて土方が笑う。



遠くで鐘の音が聴こえた。




「年明けたな」
「え?マジ?うーゎ最悪な年始め」
「…ひでぇ言いようだなオイ」

まぁでも と土方がそちらを向き

「今年もまたこうやって酒でも飲んでよ」
「土方の奢りならな」
「…お前殆ど出したことねぇじゃねぇか」

笑いながら銀時が酌をする。
ふと時計を見て土方が言った。

「ちょっと神社でも行くか?」
「外寒ぃからやだ」
それより と
「寒いからもっと傍来いよ」
銀時が手招く。
「人を行火代わりにしてんじゃねぇぞ?」


柔らかい銀髪をくしゃりと撫でた。





xxx




新年一話目です。
本当は大晦日までにUPする予定だったのですが…あれ?
ギリギリ松の内ってことでご容赦ください←
今回はサイレントエロ?な感じで…
一応離れでは何事もなかった風を装う為に片付けるけど、
結局酔って服半分乱れたまま朝に沖田辺りに見つかってればいい。

今年もよろしくお願いいたします。

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