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●春薬 [土銀]

ソレを手に入れたのは偶然だった。


待ち合わせまで少し間があった。
向かう途中で興味本位に覗いた店にあった可愛らしい小瓶。

「旦那 御目が高い 最近入荷したばっかの商品ッスよ」

店員がにやにやと話す。

「味も匂いも無いんスが 効果はバッチリ 売り切れんの早くてウチもやっとこ仕入れられたんス」
「ほぉ」
「彼女サンッスか?酒とかジュースにでも混ぜたらきっと朝まで離してくれないッスよ」

店員が大袈裟に話してるにしても、ちょっとしたイタズラ程度にはなるかと思い

「じゃあ一つ貰うか」
「ハイハイ」

とりあえず買ってみた。




    +春薬+




「おっせーよ 珍しく待ち合わせなんつうから来てやったのに」
「遅れてねぇし つーかもう飲んでんのかよ」

居酒屋にて。
少し酔っ払った銀時の所に、呼び出していた張本人、土方が到着した。

「だってココ居酒屋よ 酒飲むの当たり前だよ?」
「あーはいはい」

早くもクダを巻き始めた銀時を制しながら、土方が酒を注文する。
「で?今日は何の御用ですか多串君」
「用って程はねぇよ ただ空いたから声かけただけだ」
「ふーん」

依頼でも持ってきてくれたんかと思った と銀時が自分の手元に視線を戻す。

「いつもは俺の依頼は面倒だとか言うじゃねぇか」
「おぉ でもまぁコレがいいからさ」

ふっふっと笑いながら、人差し指と親指で輪を作る銀時を

「生々しいなぁオイ」

頬に手を付きながらやれやれと見やった。



「…ん…」

時間と共に酒が進んで、銀時の頬にほんのり朱が入る。

「おい 行くかそろそろ」
「ん〜」

土方が揺さぶると、ふと銀時がそちらを向き顔を寄せた。

「―っ コラ」
「んっふっふ」
にやりと笑い
「ちゅーすると思った?」
耳元で小さく囁く。

「こ…の 酔っ払い」
からかわれて、土方が銀時の頭を押し返す。

「馬鹿やってねぇでオラ 帰んぞ」
「へーへー」

まだへらへらと笑うのを適当に引っ張り店を出た。


「ちゃんと歩け〜」
「うぃ〜 …なぁ土方君?」
「何だ?」
「明日は仕事なん?」
「一応午後出だ」
「帰っちまうの?」
「……」

はっきりと言わない、誘いの言葉。

「…ならほら 行くぞ」
「ん…」

答える代わりに向かったのは、万事屋とは別の方向。




「暑い…クーラー」

ホテルの部屋に入るなり銀時がリモコンに手を伸ばす。
ピピッと電子音がして冷たい風が流れ始めた。

「はー… シャワー浴びたらもっと涼しくなるかな」
「あぁ」

夏はまだこれからというのに、湿気のせいか空気はねっとりと暑い。
先にシャワーに入った銀時を待ちながら、煙草に火を着けようと探った着物の袂にライターともう一つ こつり と固い感触。

「…あ」

会う前に買った小瓶。
所謂"媚薬"というものだ。
そのうち使ってやろうと思っていたが、折角だと土方がにやりと笑う。

「まぁお遊び程度だろ」

部屋の冷蔵庫からペットボトルの飲物を一本購入すると、少し飲んで小瓶の中身を数滴垂らした。

「土方くーん シャワー空いたぜ」

それをテーブルに置いた所で、備え付けの浴衣を羽織った銀時が戻って来た。

「んじゃ 入って来るわ」
「お〜 あ土方君」

立ち上がった土方に

「一口貰っていい?」

銀時が声をかけ、テーブルのペットボトルを手に取った。

「あぁ」

素っ気なく返事をする。
土方が飲んだ形跡があったペットボトルに、何の疑いも持たず銀時が口を付ける。
土方の策に上手く掛かった。

『あとはどう効くかだな』

口元が弛むのを抑えながら浴室へ入った。



「おかえり〜」
「おぉ」

土方が戻ると、ベッドに腰掛けたまま銀時がそちらを向いた。

「…」
「土方?」

変わった様子のない銀時に、まぁ所詮は…と隣に腰掛ける。

「なんでもねぇ ほら こっち向け」

唇を合わせ、舌を絡める。
ちゅくちゅくと水音が部屋に響き始める。

「ふ… ん 」

鼻に抜ける声を出しながら、銀時が土方に近づいた。

「はぁ…」
「…なぁ…あの…」

唇を離すと、眼を伏せながら銀時が言う。

「なんつうか…その」
「何だ?」
「クーラー…付けてんのに なんか」

ほんのり上気した目元に、肌も少しピンク色に染まっている。
潤んだ瞳が土方へ向けられた。

「いつもより…なんか変 だ…熱いっていうか…」
「平気か?」
「ん… あの…」

すっ と銀時が後退りした。
―もしやこれって…
土方が感づく。

「まだ始めたばっかなのに…その…」
「どうした?」

するりと太股に手を這わせば銀時がびくりと震える。

「わっ ちょっ…」
「なんだ?随分興奮してんじゃねぇか」

中心を撫で上げると小さく悲鳴をあげた。

「ひっ…待っ…」
「待っていいのか?」

土方が意地悪く笑う。

「…っ もしかしてテメェ…」
「何だ?」

笑みを浮かべたままの土方に、銀時が思い浮かんだ嫌な予感をぶつけてみた。

「何かした…?」
「何か?」
「変なもんでも仕込んだかって聞いてんだよ」
「どうだかな」

はぐらかして銀時をベッドに押し倒すと、浴衣の裾を開いた。

「ちゃんと答えろ…よっ」
「先にこっち 辛そうじゃねぇか」

脚の間で主張する銀時自身は、触れてもいないのに先端から透明な糸を垂らしている。
土方が手でそれを上下に擦り出した。

「一回イッとけ」
「やっ めっ…」

抵抗する間もなく、呆気なく銀時が精を吐き出す。

「オイオイ…ちっと早すぎだろ」
「はぁっ… ぅ…」

吐精の余韻に蕩けた瞳が土方を睨む。
白濁に汚れた掌を、わざと見せる様に舐め上げると銀時が視線を反らした。

「この… 馬鹿」
「まだまだ平気そうだな」

荒い息のまま銀時が減らない口を叩く。
土方がテーブルに置いたままのペットボトルに手を伸ばし、中身を口に含むと銀時に口移した。

「ん… ぅ…っ もしかしてコレ…」
「零すなよ …コレが何だ?」
「…何か入れただろ?」
「気付くの遅ぇよ」

くくっ と喉で笑う土方に銀時が 拳を上げたが、上手く力が入らず逆に腕を掴まれてしまった。

「こんの…変態マヨがぁ…っ」
「たまたま手に入ったモンでな 試したくなるのが男ってモンだろ」
悦くしてやるから と耳元で囁かれる声すら刺激になる。

「はっ…ぁ」
「また硬くしてんな 結構効くなコレ」

さっき吐精したばかりの銀時自身が、萎えずに勃ちあがっているのを見て、土方の眼に欲望が光る。
銀時に口移した時に飲み込んでしまった僅かな量で、土方の体も少し熱を帯び始めていた。

「くっ…そ 責任とれよコノヤロー」
「あぁ 覚悟しとけ」

深く口付けを交わし、胸の突起を指で弾くと銀時が背を弓なりに反らす。
土方が片方を口に含んで転がすと甘く喘いだ。

「はぁっ …んっ」
「もっと鳴けよ」
「ばっ …あぁっ」

突起を弄っていた手が降りて、銀時の中心へ添えられる。

「もうぐちょぐちょだな すげぇ濡れてる」
「言うな馬鹿っ…」
「腰揺れてんぞ ホント可愛くねぇのは口だけだな」

舌で突起を嬲りながら銀時自身を擦り、先走りを指に絡める。

「こっちも欲しいだろ?」

土方が銀時の脚を持ち上げ、大きく開かせた。
露になる秘所がひくひくと蠢いて侵入を誘う。

「そん…見 ん な」
「こっちは素直だな 欲しいってちゃんと言ってるぜ?」

先走りを絡めた指を後口に当てると、銀時がふるりと震えた。

「ひっ …あっ や…」
「嫌?」
「焦らす…な ぁ」

熱に浮かされた瞳を向けられ、土方が喉を鳴らす。
蠢く後口にゆっくりと指を挿入する。
銀時が背を反らし鳴いた。

「あっ ふぁ…んっ」
「スゲ… 中熱い」

指を出し入れしてやれば、びくびくと体を震わせる。
中の膨らみに指を当てるといやいやと首を振り

「あっ 出 るっ」

きつく締め付けて、銀時が精を吐き出した。

「指でイッちまったのか?そんなに悦かったかよ」
「は… ぁ…」

整わない息のまま、銀時の手が土方の中心に触れた。

「も…早く… コレ挿れろ って」
「平気か?」
「いいから っ なぁ…」

脚を大きく開き、銀時が自ずから秘所を指で開いた。
いつもなら絶対しない銀時の行動に、土方の思考が熱に侵される。

「そんな煽るな…手加減出来ねぇ」
「ひっ ああぁっ… 」

昂った土方自身が銀時を一気に貫いた。
せがむように揺れる腰を掴んで揺さぶると、もう意味を成さない喘ぎ声。

「あっ… んぁ… くっ」
「すっげエロい顔してる」
「ふ ぅん… やべ もぉ…っ」

張りつめた銀時の陰茎の根元を土方が強く握った。

「っ… 痛ぇ 離し…っ」
「ちっとは我慢しろよ」
「誰のせいでこんな…っ ぁ」

達せずに熱を持て余す銀時を、土方が更にに突き上げる。

「あっ ぁ もぉや だ…」
「イきてぇか?」
「んっ も… イかせ て」

涙に濡れる眼で見上げられ、土方が銀時の頬に小さく口付けた。

「ほら しっかり飲めよ」

強く突き上げ、陰茎を握っていた手を放す。

「ぁあっ ひあっ――」

最奥で土方が精を放つと同時に、銀時も精を放った。









「…ったく 馬鹿かテメェ」

銀時が目を覚ますと、土方が隣で煙草を噴かしていた。
薬の効果が切れるまで何度もイかされ、最後は記憶が飛んでいる。
残った体の重さに顔をしかめた。

「媚薬か?どっからンなもん持ってくんだかお巡りさんよー」

げしげしと背中を蹴りながら、散々喘がされ掠れた声で言う。

「たまたま買ったんだよ」
やめろ と土方が銀時の方を向いた。
「たまたまってコンビニやらで買えるもんじゃねぇだろ どんな店行ってんだか」
「うるせーな …お前だって随分可愛いコトしてくれたじゃねぇか」
「ばっ…」

そう言われて、色々口走った事やしてしまった事が脳裏に浮かび耳まで赤く染まる。

「てっ…テメェが変なモン飲ませたせいだろぉが」
「それだけじゃ大したことねぇだろ」
ずい と顔を寄せ
「随分ノッてたじゃねぇか 悪くなかっただ…」

土方が全て言い切る前に銀時の肘が鳩尾に入った。

「なんだって?」
「…調子にノリマシタ」

ぴくぴくと前につんのめる土方に、ふぅ と息を吐いて

「…んなもん使わねぇで悦がらせてみろやボケ」

銀時が言い放つ。


「――…」

体を起こした土方が腕を伸ばして銀時を抱き締めた。


「期待しろ」
「…死ねアホ」


目を合わせられず銀時が俯いた。




xxx




今更ながら媚薬とか。
銀さんどろどろにしてみたいなぁとか…

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あきゅろす。
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