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○White Out [スマユリ]



前の夜から酷く冷え込んでいた。

朝、いつもより少し早く起きてしまった。

部屋に一人でいるのもつまらないので、食堂に向かった。



  +White Out+


キッチンには思ったとおり、アッシュがいて、もう朝食の準備を進めていた。

「あ おはよッス スマイル。外見ました?」
「オハヨー・・・・ 外?」

脈絡もなくそう聞かれ、ボクは首を傾げる。

「雪ッスよ〜 珍しく積もったんスよ」

ん〜‥‥雪‥‥?雪だって?

「あー‥‥だから昨日から冷え込んでたんだ」

煙草に火を点け、ふーっと紫煙を吐き出す。

ぼんやりした頭のまま、テーブルに寄りかかって暫らくアッシュを観察していた。




「‥‥ちょっと見て来ようカナ?」

なんとなくそう思った。まぁ今年の初雪ダシ?

「朝飯もうすぐ出来まスから。適当に帰って来てくださいね」

「へーい☆」



コートを引っ掛けて扉を開けた。

眩しいほどの銀世界。

「お〜 キレイだねぇ☆」

さくさくと新雪に足跡を付けていく。

ぽつぽつと続くボクの足跡を、まだ少し降ってくる雪が隠していく。

「‥‥珍しく積もったな」

急に声がして、びっくりして振り返ると寝間着のままのユーリの姿。

「あービックリした〜…ってまたそんな薄着で出てきて〜」

歩み寄ってコートを着せてやる。まったく、こういうトコには無頓着なんだから。


「雪が綺麗だったんでな‥‥」

「だからって・・・いくらボクらが人間じゃないって言ったってそれじゃ風邪ひくし」

 はぁ・・・と溜息。

ボクをそのままおいて、ユーリは庭に歩き出していく。

それを見ていて、また溜息。 

「‥‥綺麗☆」

「そうだな‥‥」

「雪じゃなくて‥‥ダヨ☆」

雪と 庭木の影と ユーリの姿。

色のコントラストが‥‥何よりそこに立つ彼が酷く美しくて‥‥

思わず見とれてしまった。

「たまには雪もイイねぇ‥‥」

座り込んだ彼の隣に座ってみた。

「ああ そう‥‥な」

こてっとボクの肩に寄りかかって‥‥



バタっと後ろに倒れた!?


「ちょっ‥‥ユーリ!?」

慌ててそちらを見ると、静かに寝息を立てているユーリ。

どうやら体温が下がったせいで冬眠?しちゃったらしい。

「‥‥まったく  手のかかる姫だねぇ」

ボクもその横に寝転がってみた。

まだ降り続く雪はボクらを隠していく。

このままでもイイカナ…なんて思ってしまう。

ぼんやり空を見上げて‥‥









‥‥‥っとアブナイ。さすがにコレはマズイか。

よいしょっと起き上がってカラダの雪をはらう。

「さぁ アッシュが待ってるヨ。帰りますか 姫」

ユーリ眠ったまんまだからヒトリゴトみたいだね。

ユーリの上に積もった雪をはらい抱き上げて城へ戻る。

あーあ アッシュにまたお小言もらっちゃうなぁ‥‥




‥‥デモ まぁ綺麗なモノ見れたし イイとしとこ☆





xxx





前にやってたサイトからの再録です。


雪に埋もれたらユーリ絶対行方不明になるよなー とか 白いから(ぇ)

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あきゅろす。
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