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▼Text
○見てた、君を [綱獄]
綱獄。チューまで。
甘さひかえめ。








君は自分に
気付いてないのかな…



+見てた、君を+



授業中、うつらうつらと舟漕ぎしていた君に 先生からの突然の指名。

「獄寺ぁっ これ問いてみろ!」
「あぁ?」

ぐっと眉間に皺を寄せて、前に向かう。
教室が静まりかえってる。


一触即発… と思ったら、ちゃんと黒板に向かった。


カツカツとチョークの音が響いて
「コレでイイっすか?」
怒気の篭った声で言う。
「……正解だ」
先生の悔しそうな声。


おぉ〜 と言う声と
はぁ〜 と言う溜息が
教室中から上がる。


「すごいね 獄寺君 ちゃんと聞いてたんだ」
席に戻った彼に 小声で話し掛ける。
「あのくらいの問題 十代目の右腕として当然ッスよ」
ニッと笑う君が 凄く可愛いなんて言ったら、オレ嫌われちゃうかな。


君が
「十代目!」
オレの隣にやってきて色んな話をする。

その時の
手のしぐさだとか
さらりと落ちる銀の髪が

ぜんぶぜんぶ
目に焼き付いてく。

だらしなく開けたシャツから覗く白い首に


赤い  跡をつけたら…


「…―十代目?」
「あっ おっ 何?獄寺君??」
いつもの様に屋上で昼飯。
山本が野球部の集まりに行っちゃって獄寺君と二人でだべってた。

「お加減でも悪いですか?ぼんやりして…」
「ちっ違うよっ 大丈夫…」
彼の手がオレの額に触れた。

「熱は…ないみたいッスね」


獄寺君…それ反則…


黒い感情が渦巻く。


「獄寺君…」
まだ額にある手を取って
引き寄せた。


口づける。
その唇は 思ってたよりずっと 柔らかくて
ちょっとだけ煙草の香り。

「…十代目っ!」
「…ごめん…獄寺君」


君が 無防備に
そんなことするから…


ね ほら
きっと軽蔑したよね


困った様な顔をした君も可愛いなんて
オレ 重症かも。



「熱なんてないから…さ 忘れてよ ごめん ね」
目が合わせられない。



「…オレは」
獄寺君が口をひらいた。
「十代目を…尊敬して お慕いして…ます」

グリーングレーの瞳がオレを射抜く。



「だから…っ」
「だから?」

真っ直ぐな君の困った顔が もっと見たくなった。

「こ…んなの」
「オレが望んだとしたら?」

獄寺君の肩が びくり と震える。






「ウソウソ 冗談だよ」
にっこり笑って。
いつもと同じに笑えてるかな?

「十代…」
「手が滑っちゃっただけ ね?」
苦しいなぁこの言い訳 と自分でも思うけど



「…十代目っ」
手を掴まれて
少し高い目線が オレに向けられる。

「オ…オレ…別に嫌なんかじゃ…」
君は肌が白いんだから
少しでも高揚すると 頬が赤く見えてこっちが照れるよ。


「うん ごめんね」
そう言ったら 君の顔が近付いた。


触れるだけのキスを

獄寺君の肩を捕まえて

もっと深く 口付ける。




「獄寺君…」

君は 綺麗だから

あんまり無防備だと 知らないよ?




いつか…
…マフィアなんかなりたくないけど
君がオレのモノになるのなら



"十代目"になってもいいかななんて
つい 思っちゃうじゃないか。



ひとりぼっちだった君を、もう泣かせたりなんかしない。
オレの"家族"になって ずーっと傍にいて。




ね? 獄寺君






xxx






ツナと獄寺。最初は恐いだけだったのに良く見たら綺麗で可愛い人だったんだ〜 なツナと、十代目を慕ってるけどソレは尊敬とか忠誠とかでちょっと複雑な獄寺。
恋人じゃない けど愛が無いわけじゃない …微妙な二人。


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あきゅろす。
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