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時には残酷さも必要で
3
――自分から腰を振って久我さんの男根を後ろの秘部で咥え込んでは、ぐちゅぐちゅと上下に動く律動の音だけが響き渡っていた。


 久我さんがローションを持ち出し「自分で広げてみせてよ」と言うと、俺は自慰に耽るように指をナカで蠢かす。

「あンッ!……久我さんッ!」

 ヌルヌルとした先走りとローションのおかげですんなりと穴を広げては、久我さんに挑発するように見せつける。

「ね、凄くないですか俺……ッ?薬回るとセックスも楽しいですよぉ」

 苦笑混じりに呟き、久我さんはククッと笑いを噛み殺していた。

「ほんっとに、乱れ過ぎ。良いね。淫乱で最高だよ、君」

「俺は気分が最高ですッ!!久我さんホントありがとうッ!!愛してますッ!」

 全く心にもない言葉を吐いたところで、俺は久我さんのズボンのファスナーをおろし、前をくつろげる。
 ピンと張り詰めたそれにむしゃぶりつくように舐めまわす。久我さんはあくまで俺の堕ちてゆく様を高みの見物をして。

 自身の腰をくねらせ、早くむしゃぶりついている久我さんの熱くて太い昂ぶりが欲しいけれども、まだ自身の肉壁を指でかき回して解してゆく。
 じゅぷじゅぷと美味しそうに頬張っていると、ここへきて久我さんが俺の唇からおしゃぶりを取り上げるかのように、男根から離す。

 つぅーっと唾液が滴り、離れるのが名残惜しいような様が、何とも言えなかった。

「そんなに美味しいかい?でも、私は早く君に挿れたくて仕方ないよッ!!」

「ゃ……ッ!あ、だめッ」

「駄目?何がダメなんだい?こんなに自分から積極的に求めてきて、おかしいね?媚薬でも入っていたのかなぁ」

「しらなッ……ンんッ!!」

「ほら、君の大好きなコレ、早速淫乱な君のアナルに挿入したら?」

 跨った体勢から、ゆっくりと腰を沈めてゆく。深く全部収まりきると、好きなように腰を振った。

「やぁああああんッ!!イイッ!!久我さぁんッ!」

 ひっきりなしに喘ぎ声と、接合部から濡れた音が卑猥に絡みあう。何十層のハーモニーのように淫らな水音が木霊し、AVの光景そのままだった。
 あれは演技もあるだろうが、俺は完全に唾液が唇の端から溢れて止まらなかった。

「純くん、良いよッ!!上手いねぇ。騎乗位得意なの?」

「ふ…ぅッ!あん、わからなッ」

「わからないことないだろう?全く、はしたない犬だね」

――そう、俺は只の薬中でセックス依存に陥ったのかもしれない。
 

 遠くなりかけた意識の中で、久我さんのお腹の上には自分の熱が溢れだしていた。






――久我さんと付き合っていても、特に今までと変わりはなかった。無料で薬物とセックス付きだったけど。
 この関係も悪くはなくて、次第に心は満たされてゆく。きっと薬物と男との性交が自分には合っていたのだろう。


 日に日に満たされてゆく感情とは相反して、めぐみの具合だけが悪くなる一方だった。
 

――今更、薬も久我さんも断ち切れない。

 それでも、めぐみを失うという恐怖のみが一転して付きまとっては、俺を苛ませた。

「おいッ!!めぐみッ!お前、顔色真っ青だぞッ!!」

 ある時、とうとうめぐみがぶっ倒れるほど具合が悪くなりだして、俺は泣き出しそうになる。
 心配と恐怖で胸が支配された際、少しだけめぐみが起き上がって言葉を囁いた。

「――薬、もうやめてくれ。久我と付き合うな。でなければ、お前は――……ッ!!」

「お前は?おい?!なんだよ?!めぐみッ!しっかりしろよぉッ!!」

 俺には聞き取れない声で何かを呟いては、めぐみは意識を手放した。
 隣で呼吸を確かめると、寝息が聞こえてきてほっと一安心する。





――負の感情がなくなれば、契約者は死ぬ。






 純に向けた言葉は多分聞こえなかったであろう。

 俺は暫くの眠りにつく。そして、どうしても純の命を救いたい。例え、純に一生恨まれる結果になったとしても。


――最初は単純に気まぐれだった。けれども、契約者らしからぬ気遣いと、本当は誰よりも強がりで寂しがり屋なだけの男が、こんなにも愛おしくてたまらなかった。
 恋は落ちるもの、だと人間界ではよくいうらしいな、と瞼を閉じる前に想った。

――好きなんだ。お前の魂さえ、身体さえ本当は誰にも渡したくはない。



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あきゅろす。
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