[携帯モード] [URL送信]

社長令嬢は王子様!?


『それは…私が瀬戸香様の恋人だからです』


あの発言は見事にエコーが掛かり、頭の中をぐーるぐーるしている

しかも『恋人』の部分だけが、やたら強調されて

そんな白崎サンの問題過ぎる発言に俺と先生が衝撃を受けているのに対して、白崎サンは依然ニコニコしていた


「…?瀬戸香様、どうかなさいましたか?」

「え?あ、あぁ!どうもしないよ」

「そうですか。突然黙ってしまったので何処か調子が悪くなったのかと…」

「あー…大丈夫だから…」


ボソリと身体はね、と付け加えておいた
勿論白崎サンには聞こえ無いように言った

それよりも…あの発言をどうにかしないと、俺は変人扱いされるかもしれない

さぁ、どないしよか

取り合えず、今だにフリーズしている先生をどうにかしないとな


「あの、先生…?」

「はわっ!?あ、な…何かしら」


はわっ!?って先生、貴方今何歳ですか…
それでも女性に歳を聞くのは失礼だから気にしないでおこう


「…さっきの白崎サンの発言ですが」

「あ、あぁ!そのことね、私は良いと思うわ。だって2人は愛し合っているのだもの!
それに、恋は障害がある方が燃えるって言うし、最近はそうゆう人増えてるでしょ?」

「え、いやあの」

「だから大丈夫、貴方達の仲を引き裂くなんてことはしないから!いやぁ若いって良いわねぇ〜」

「いやだから…」

「あ、でも世間一般では同性愛者は、変人扱いされてるかもしれないわ…でも安心して。私は問題無いから!寧ろ大歓迎よ!!応援するから、途中でくじけたら駄目よ?」

「…………」


駄目だこりゃ
完全に自分の世界に入ってるよ…
俺の声なんか聞こえちゃいねぇ

しかも大歓迎って何だよ
…可笑しくないか?

とにかく誤解されたまでは非常に困る!
特に俺がっ!!
その為何としても誤解を解かねば
…あ、そうか


「……あの、白崎サン」


元凶である白崎サンに何とかしてもらおう


「はい。何でしょうか」

「あの発言だが、誤解を解いてくれないか?」

「…あぁ。解りました」


そう言って白崎サンは、今だに暴走…いや、自分の世界に入っている先生に近付いた


「やっぱり、王道はつまらないものよね…恋は障害が合ってこそかしら」

「スミマスン。先程の発言の事ですが」

「それにーって、え…何?」

「先程の発言に付いてお話があります」

「何かしら」

「あの発言は私の軽い冗談で、私と瀬戸香様は恋人などという関係ではありません」

「そんなに照れなくっても良いのよ」

「いえ、照れ隠しとかではなく……」


白崎サンは淡々とした口調で、あの発言について先生に色々話していた

つか照れ隠しって
何かもう凄い間違いだな


「私と瀬戸香様の関係は、恋人や友達といったそんな薄っぺらい言葉で片付けられる物ではありません」

「あら、あらららら…そうなの?」


うぉいっ!
さらに誤解を招くような事を軽々しく口にするなっ
つか何かもう、どーでも良くなってきたよ

とか、つい投げやりになってしまう
だってもう色々と面倒だろ?
だから白崎サン、後は頼んだぜ
俺は白崎サンに全てを託した


「早い話し、私達は言わば主従関係です」

「…し…主従?」

「はい、しかしこれ以上は、会社の規則に反するのでお話は出来ません。申し訳ございません」


そう言うと白崎サンは、先生に深々と頭を下げた


「そうだったの…解った。コレ以上は深く追求しないわ」

「有り難うございます」


白崎サンは、下げていた頭を上げて、先生にお礼を言った
その顔はやはり笑顔だった

まぁ作り笑いだろうが…

一方の先生は何かを思い出したように声を出した


「あ、でも」

「何でしょうか」

「さっきの冗談…ナイスだったわ!」


先生は、目を輝かせてグッ!と親指を立てて俺達の方を見ていた


[*前へ][次へ#]

9/16ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!