社長令嬢は王子様!?
2
凄くカッコイイ…いや、綺麗な顔をした青年が、俺の前に座っていた
多分コレは…イケメンの類に入るのだろう
街を歩いたら、誰もが振り向くんじゃね?
俺がそいつの顔を食い入る様に見ていると、そいつは俺の顔を見て微笑んだ
「こんにちは、初めまして」
「え、あ、うん。初めまして」
微笑んだと思ったら、急に声を掛けられてビックリした…
しかも何と声も顔に合っていて…
なんつーか…完璧って言うの?
コイツ絶対に、勉強もスポーツも優秀だっ!!
何故分かるかって?
見た目的にだ
「私立天瀧虹明学園から来ました、白崎零詞と申します。学園では生徒会長をやらせて頂いております」
「あ、どうも。俺は、野神瀬戸香です」
「はい、知っております。それと……コチラの方は…?」
客人様改め、白崎サンに言われて、担任改め鈴木センセーの存在に気付いた
…完全に忘れてたなんて言えねぇ
つーか初対面なのに何故に俺を知ってんだ!
不思議な奴だな、うん
「野神のクラスの担任をしております、鈴木政也…と申します」
「あぁ。瀬戸香様のクラスの担任でしたか。初めまして。あ、鈴木先生、私なんかに敬語は使わ無くても結構ですよ?」
そう言って白崎サンは微笑んだ
……ん?ちょっと待て
今、コイツなんて言った…?
瀬戸香様だって!?
いやいやいや!ありえねーし
何で様付けなんだよ
しかも鈴木センセーは年下に対して敬語だったし
何者だコイツ!!
「ほらほら、鈴木先生もそこで立ってないで座りたまえ」
「はい、失礼します」
今まで存在を忘れてた校長は、鈴木センセーは椅子に座るように促した
しかも俺の隣に
多分凄く自然に座ったんだろう
だから何って訳では無いけど
さ
「それで、話と言うのは…?」
鈴木センセーそう切り出した
そしてその質問(?)には白崎サンが答えた
「はい。実は、先日お電話をさせていただいたのですが、その時にも説明致しました、瀬戸香様の転校についてです」
「……………は?」
俺の素っ頓狂な声が校長室に響いた
何を言ってらっしゃるのですか、白崎サマ?
「え、転校って何処に…?」
思わず質問をしてしまった
すると白崎サンは、顔色一つ変えずに教えてくれた
「天瀧学園です」
「…誰、が?」
「勿論、瀬戸香様です」
「……い…つ?」
「今日ですが、正式には明日からです」
明日からです
その声が頭の中でリピートした
しかもエコーのオマケ付き
「………はあぁ!!?今日からって、バッカじゃねーのぉ!?つか誰だよ!それ決めたの!アイツか!?あのクソ親父か!?」
「おい、落ち着け野神!!」
鈴木センセーが落ち着けと言うが、無理に決まってる
つか、叫ばなきゃやってられん!
「無理無理無理無理無理無理っ!ぜぇっったい無理!!落ち着けるかよ!」
「お、おお落ち着きたまえ野神君!」
校長の制しの声は吃っていた
つーか落ち着ける訳ないだろっ!
一方の白崎サンはニコニコしてた
まるで…こうなることが分かっていたかのように、俺を見ていた
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