社長令嬢は王子様!?
天瀧学園からの使者!?
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、裕健は客人様に興味が在るらしく、担任に着いて行っても良いか尋ねていた
バカだなコイツ
無理に決まってんだろ
「あのさ、センセー。俺は着いて行ったら「駄目に決まっているだろう」
「えーー…やっぱり?」
「小林、お前はさっさと教室に戻れ」
「…あーい」
ほらやっぱり無理だ
担任の言葉を聞いて、裕健は残念そうな顔をして、教室に戻っていった
裕健の姿が見えなくなった頃に、担任は切り出した
「よし校長室に行くぞ、野神」
「へーい」
俺はやる気無く返事をしたら、担任に軽く睨まれた
何だよ
と言いたいが、あくまで担任なので文句を言うのを辞めた
それに、文句を言ったら後が面倒だろうし
「そうだ、野神。校長室に行ったら行儀良くしろよ」
「それくらい分かってますよっ」
んなコト言われ無くてもガキじゃねぇんだから分かってるっつーの
* * * *
ー校長室ー
コンコン
「ん?誰かね?」
ノックをすると、向こうから校長の声が聞こえてきた
「2-Cの担任鈴木政也です。野神瀬戸香を連れて参りました」
「おぉ!やっと来たか。さ、入りたまえ」
担任もとい、鈴木政也センセーは、「失礼します」と言って校長室のドアを控えめに開けた
俺も「失礼します」と言って、校長室に足を踏み入れた
校長室の中には、校長の他にも人がいた
多分この人が俺に用がある客人様であろう
その客人様は、校長の迎えに座っていて、こちらからは顔は見えなかった
一方の校長は、ドアの方を向いていたために、顔が良く見えた
校長は、俺と担任の鈴木センセーを見て席を立ち上がり座ることを勧めてきた
「よく来たね。さぁ座りたまえ」
「あ、はい。野神さっさと行け」
「…はいはい」
担任の鈴木センセーに言われて、席に座ろうとしたら、校長に止められた
「あ、野神君は、こちらに座りたまえ」
「…分かり、ました」
当たり前だが、客人様の向い側の席を勧められた
勧められた席に座ると、客人様の顔が良く見えた
その顔を見て、思わず息を呑んだ
(う、わ……カッコイイ顔してんな…)
それが、そいつに対する第一印象だった
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