きみの温かさを知る(牡羊) * 「・・・っさむー」 冬も本格的に入り、小雪もちらつく頃 珍しく生徒会の仕事が早く終わり雪でも見に行くか、と二人で中庭まで来ていた 『今日は寒いですね・・・春になったらもっと暖かくなるんでしょうけど・・・』 「そうだな。・・・でもお前とあんまり会えなくなるよな・・・」 分かりきっていた事実を突きつけられ、その場に少しの沈黙が流れる まぁ、おれが近くにいなくても名前には俺しかいないだろ! ・・・こういうときだけ名前で呼ぶなんて、会長は本当に意地悪だと思う 「そういえば・・・お前の手っていつも冷たいよな」 『え?・・・いきなりどうしたんですか?』 きょとんとして見つめていると、手をきゅっと掴まれる 「・・・・・・ほら、冷たいだろ?」 確かに、会長の手に比べると冷たいような気がする。 ・・・こうして手を繋いでいるとだんだんと会長の暖かさが伝わってくる。 しかし、今はそれよりも・・・ 『か・・・会長!その、手が・・・』 私と手を繋いでると会長が冷たくなっちゃいます!!と言うと、 「いいんだよ、名前の心の温かさが感じられるからな」 そう言ってまた、私の手をやさしく握った きみの温かさを知る (この温かさがいつまでもこの手に残るように) (そして、今この手を離すことがとても名残惜しく思う) ・ [*前へ][次へ#] |