暁の小説 第一幕 −参− −すっ− ?「!?」 少年は、突然陰ったことに驚いて顔をあげた。目の前には、笑顔の敬助がいる。 ?「!!」 −バッ− 少年は敬助を警戒して飛び退く。そんな様子を気にも留めず、敬助はマイペースに少年に話しかける。 さん「驚かせてしまいましたね。すみません。」 ?「何の・・・用だ。」 少年は警戒を解かずに尋ねる。どうやら、さっきぶつかったのが敬助だとは気付いていないようだ。敬助は笑顔で答えた。 さん「君は相当な実力者ですね。すごいなーと思って。」 ?「どーも。用事はもう終わったよね。それじゃ、失礼するよ。」 そう言って少年は去って行こうとした。 ?「っ」 −ガクン− 少年は苦しそうに顔を歪めて膝をついた。 さん「!?どうしましたか?顔色が悪いですよ?」 そう言いながら、敬助は少年を抱え起こそうとした。あと数センチで少年に触れる、という時、 ?「触るな!!」 とても低く鋭い声で少年が言い放ち、敬助の手を払い除けた。少年は、肩で息をしながらヨロヨロと立ち上がる。そして、また歩き出そうとしたのだが… ?「?!」 −グラリ− 景色が暗転し、少年は地面に倒れこむ。 ?「くっ」 呻いて立ち上がろうとしたつもりが、体が思うように動かず、 −ヒューヒュー−と荒い息が漏れただけだった。敬助が少年を助け起こす。 さん「大丈夫ですか??」 ?「さわ…る…な……」 少年は最後まで抵抗していたが、途中で気絶してしまった。 [*前へ][次へ#] |