暁の小説 Game2 「女子って本当、噂話とか好きだよなぁ。」 学校からの帰り道、 僕は灰色に染まった空を見上げて1人呟いた。 そして、その噂話の内容を思い返していた。 * * * 『4×4の幽霊』というのは、 13日の金曜日の曇りの日だけに現れる という霊のことだ。 その霊は、 公園で木に登って遊んでいて 木から落ちて死んでしまった少年で、 遊び相手を探して彷徨っているらしい。 逢い方の条件などは特にない。 普通に歩いていたら、 いつの間にか見たことのない道にたどり着く。 そして、 何かに呼ばれるように道を進んで行くと、 そこに公園があって、 その少年が、 「一緒にゲームをしようよ!」 と誘いをかけてくるらしい。 もちろん、強制参加で、拒否権はない。 逃げようとしても、 また少年のもとに帰ってきてしまうのだ。 ゲームをして少年に勝てば家に帰れるが、 負けたら一生帰っては来られないのだと言う。 本当はこんな簡単な内容ではないのだが、 体験して奇跡的に帰ってこれた人は 一様に口を閉ざしているので、 詳細は体験した本人にしか分からないのだ。 [*前へ][次へ#] |